...古藤のやつは少し骨張(ほねば)り過ぎてる……が悪かったら元々(もともと)だ……とにかくきょうおれのいないほうがよかろう」そういって倉地は出て行った...
有島武郎 「或る女」
...病人は骨張つた顔を坊さんの方へ捻(ね)ぢ向けた...
薄田泣菫 「茶話」
...春三郎はこの俗つぽいコローム版と今も一生懸命に客室の壁を張りつゝある文太郎の後ろつき――骨張つた肩――とを想像して結びつけて見て...
高濱虚子 「續俳諧師」
...お顔は黒く骨張って謹直な感じで...
太宰治 「惜別」
...養父が痩せた骨張つた右の掌を見せて招いてゐる...
田中貢太郎 「黒い蝶」
...その骨張った尻をクソを洩らすまで...
田中英光 「さようなら」
...薄い毛を銀杏返(いちょうがえ)しに結って、半衿(はんえり)のかかった双子(ふたこ)の上に軟かい羽織を引っかけて、体の骨張った、血の気(け)の薄い三十七、八の大女であった...
徳田秋声 「足迹」
...二年振りで見た父は、まえよりずっと色が黒く、骨張っていた...
徳永直 「戦争雑記」
...あの爺さんは骨張った娘と較べてどこも似た所がない...
夏目漱石 「永日小品」
...骨張って膏(あぶら)の脱けたような手を前へ出して...
夏目漱石 「永日小品」
...その指は平生から自分の眼には彼の神経質を代表するごとく優しくかつ骨張って映った...
夏目漱石 「行人」
...上半身の骨張つた逞(たく)ましさも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...上半身の骨張った逞(たくま)しさも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...少し骨張つた娘ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...これは骨張つた青白い顏と...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...前こゞみにのめり工合の細く骨張つた肩先きを...
牧野信一 「病状」
...写真はおそろしく突き出た、蒼白く抜けあがった額と、髯のない、骨張った、猛禽のような顔とを持つ、三十歳ばかりの青年を示している...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「予言者の家で」
...肩などもゴツゴツ骨張った様な体の中は...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
便利!手書き漢字入力検索