...……かし本の紙ばかり、三日五日続けて見て立つと、その美しいお嬢さんが、他所(よそ)から帰ったらしく、背(せな)へ来て、手をとって、荒れた寂しい庭を誘って、その祠(ほこら)の扉を開けて、燈明の影に、絵で知った鎧(よろい)びつのような一具の中から、一冊の草双紙を...
泉鏡花 「絵本の春」
...その草双紙である...
泉鏡花 「絵本の春」
...此の草双紙や戯作本は堅木の家では遠ざけてゐたから...
内田魯庵 「家庭の読書室」
...らんぷの黄色い燈火(ともしび)の下でしょんぼり草双紙をお読みになっていらっしゃる婆様のお美しい御姿...
太宰治 「葉」
...草双紙ふうのものがいいかな?」「君...
太宰治 「雌に就いて」
...草双紙は七歳頃から読みはじめた...
坪内逍遥 「十歳以前に読んだ本」
...種々の草双紙の画面に依つて...
坪内逍遥 「十歳以前に読んだ本」
...草双紙を見せることは好まなかった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...これは黄表紙草双紙にも散見する...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...草双紙にも滅多に無い筋じゃないか...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...草双紙(くさぞうし)で読んだ昔(むかし)物語を...
萩原朔太郎 「小泉八雲の家庭生活」
...草双紙に実(み)が入って...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...(他の者に)今の草双紙の読み続きを聞こうぜ...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...いくら女子供相手の草双紙(くさぞうし)でも...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...狸を悪玉いづれも遊侠の徒に見立てた「粋菩提悟道侠客」と云つた式の擬人化仕立の草双紙であつて...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...絵双紙屋の繁昌記今あってもうれしかろうもの惜しいのは絵双紙屋、江戸以来の東みやげ、極彩色の武者画や似顔絵、乃至は双六(すごろく)、千代紙、切組画などを店頭に掲げ、草双紙、読本類を並べて、表には地本絵双紙類と書いた行灯型の看板を置き、江戸気分を漂わした店構えが明治時代には市中到るところに見られたが、絵葉書の流行に追われて、明治の中頃からポツポツ退転...
山本笑月 「明治世相百話」
...草双紙(くさぞうし)なんか読んで退屈しているんですから』『でも……』『お屋敷のほうが?』『いいえ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...五冊の草双紙――コロコロと湯呑(ゆのみ)茶碗が手にふれて転がった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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