...私の家は商家だったが、旧家だったため、草双紙、読本その他寛政(かんせい)、天明(てんめい)の通人(つうじん)たちの作ったもの、一九(いっく)、京伝(きょうでん)、三馬(さんば)、馬琴(ばきん)、種彦(たねひこ)、烏亭焉馬(うていえんば)などの本が沢山にあった...
淡島寒月 「明治十年前後」
...二十二、三歳の頃――明治十三、四年頃――湯島へ移り、図書館で読書している間に、草双紙を読み、『燕石十種(えんせきじっしゅ)』(六十冊)――これは達磨屋吾一が江戸橋の古本屋で写生して、東紫(後で聞けば関根只誠氏)に贈ったものであった...
淡島寒月 「明治十年前後」
...草双紙の中にある人物の来歴が分つたものだから...
泉鏡花 「いろ扱ひ」
...一葉女史なんざ草双紙を読んだ時...
泉鏡花 「いろ扱ひ」
...「でござんすわいナー」と書いてある草双紙を見た挙句に...
泉鏡花 「いろ扱ひ」
...草双紙を、幼いものに見せて、母また姉などの、話して聞かせるのを絵解と言った...
泉鏡花 「絵本の春」
...そんな草双紙にでもあるやうな筋書が...
薄田泣菫 「恋妻であり敵であつた」
...草双紙(くさぞうし)の絵にでもありそうな花園に灯影が青白く映って...
徳田秋声 「黴」
...草双紙(くさぞうし)も好んだが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...いよいよ草双紙が好きになった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...自分は明治の初年に出版された草双紙の種類を沢山に見付け出した...
永井荷風 「虫干」
...河太郎式の草双紙本と違って...
中里介山 「大菩薩峠」
...そらよく草双紙(くさぞうし)にあるじゃないか...
夏目漱石 「二百十日」
...それらには蔵(くら)の二階の長持の中にある草双紙(くさぞうし)の画解(えとき)が...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...草双紙(くさぞうし)を持って来て貸してくれたり」七平はツイ眼をしばたたきます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...草双紙(くさぞうし)で読んだ昔(むかし)物語を...
萩原朔太郎 「小泉八雲の家庭生活」
...その新しい草双紙で...
萩原朔太郎 「宿命」
...草双紙とも絵草紙ともいったがそれはともに合巻を指した...
林不忘 「仇討たれ戯作」
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