...六十近い老人で、孫子はもとより、親類(みより)らしい者もない、全然(まるっきり)やもめで、実際形影相弔うというその影も、破蒲団(やぶれぶとん)の中へ消えて、骨と皮ばかりの、その皮も貴女、褥摺(とこず)れに摺切れているじゃありませんか...
泉鏡花 「婦系図」
...骨と皮みたいな老車夫に俺は同情して...
高見順 「いやな感じ」
...お前のやせっぽちなこと! 骨と皮ばかりじゃないか!……」カシタンカはずいぶん食べたけれど...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...「みなし子はよう寝とる」と老婆が言った、「痩せこけて、骨と皮ばかりだ...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「女房ども」
...骨と皮ばかりのものだった...
豊島与志雄 「「沈黙」の話」
...骨と皮になった村松金之助は...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...骨と皮ばかりの華奢(きゃしゃ)な男ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...骨と皮ばかりの青黒く乾(ひ)からびた身体を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...六十といふにしては、ひどい衰弱で、骨と皮ばかり、昔は立派であつたことと思ふ人品も、賤しさと棘々(とげ/\)しさに、人の眼に不氣味に燒きつきます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...骨と皮ばかりになった十四...
久生十蘭 「母子像」
...父は死んでいる……つい其処に死んでいる……骨と皮ばかりの痩果てた其死顔がつい目の前に見える...
二葉亭四迷 「平凡」
...まるで骨と皮ばかりである...
北條民雄 「発病した頃」
...第五の女そんなに骨と皮になるには...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...何の病気かわからないが骨と皮ばかりに瘠せ衰えている...
夢野久作 「人間レコード」
...骨と皮ばかりのような彼の細い影であった...
吉川英治 「三国志」
...骨と皮のようになって...
吉川英治 「新書太閤記」
...骨と皮ばかりになっているより...
吉川英治 「宮本武蔵」
...骨と皮とになるまで黙然として考えた人は史上の立て物ではない...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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