...天下の執権ともある者が酒九献肴九種ぐらゐ気張つたツて驕奢の沙汰でもあるまいと...
内田魯庵 「犬物語」
...途(みち)に一騎の驕将を懲(こ)らすといふ一段を五行或は四行の大字にものしぬるに字行(じのかたち)もシドロモドロにて且(かつ)墨の続(つ)かぬ処ありて読み難しと云へば其(そ)を宅眷(やから)に補はせなどしぬるほどに十一月(しもつき)に至りては宛(さな)がら雲霧の中に在る如く...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...驕(おご)る平家(へいけ)を盛りの櫻に比(くら)べてか...
高山樗牛 「瀧口入道」
...驕る平家の行末を浮べる雲と頼みなく...
高山樗牛 「瀧口入道」
...日本のあらゆる現代作家を冷笑している高慢無礼の驕児(きょうじ)も...
太宰治 「ろまん燈籠」
...大隈伯の屡々失敗して飽くまで其の自信を枉げざるは猶ほ献身的宗教家の如し故に伊藤侯は得意の日に驕色あり大隈伯は得失を以て喜憂せず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...気が弱く信じやすく多少驕慢(きょうまん)だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...驕慢(きょうまん)の虚偽――民族の驕慢や、階級の驕慢や、宗教の驕慢や、文化や芸術の驕慢など、あらゆる驕慢の虚偽は、それが鉄の鎧(よろい)となり、剣と楯(たて)とを供給し、彼らを保護して勝利のほうへ進ましむるならば、彼らにとってはよいものとなるのであった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そればかりでなく、彼はまた曲線的なるゴチック式の建築が能(よ)くかの民族の性質を伝(つたえ)るように、この方形的なる霊廟の構造と濃厚なる彩色とは甚だよく東洋固有の寂しく、驕慢に、隔離した貴族思想を説明してくれる事を喜んだ...
永井荷風 「霊廟」
...ましてその驕慢(きょうまん)そのものに生きていると言ってよろしいほどの神尾主膳の眼から見ても...
中里介山 「大菩薩峠」
...驕(おご)る眼は長(とこしな)えに閉じた...
夏目漱石 「虞美人草」
...「万民の上に位する者、おのれをつつしみ、品行を正しくし、驕者をいましめ、節倹をつとめ、職業に勤労して、人民の標準となり、下民らの勤労を、気の毒に思うようならでは、政令はおこなわれがたし、しかるに、草創のはじめに立ちながら、家屋をかざり、衣服をかざり、美妾をかかえ、蓄財をはかりなば、維新の功業は、とげられまじきなり...
蜷川新 「天皇」
...以前から自分の心が驕(おご)っていたのだろうかしらん...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...官自ら以て尊しとするか官の驕傲(きょうごう)憎むべし...
正岡子規 「従軍紀事」
...驕卒漫遮路...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...その肥大強健な体に驕(おご)るかのように...
吉川英治 「三国志」
...勝ち軍(いくさ)に驕(おご)るなかれと...
吉川英治 「三国志」
...武士たちはしばしば宗教へも揶揄(やゆ)と驕慢(きょうまん)を故意にした...
吉川英治 「私本太平記」
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