...彼と共に子供の時分から御座敷で逢ひ馴れてゐる歌妓とに...
阿部次郎 「帰来」
...里馴れたものといえば...
泉鏡花 「遺稿」
...この兄が怖いかおぼつかなげな眼をおずおずさせて母の胸にあとしざりする久しぶりに会う兄は柿いろの獄衣その傍には肉親の談話を書きとめている無表情の立会看守世馴れた大人でさえおびえるこのコンクリトの塀のなかへよくやってきてくれた...
榎南謙一 「天瓜粉」
...それでも永い間の顔馴染(かおなじみ)になってみれば...
寺田寅彦 「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...漸く馴れて馬上も比較的楽になりぬ...
徳冨蘆花 「馬上三日の記」
...眼が馴れてくると...
豊島与志雄 「山上湖」
...――がもし入学できなかったら?彼らが共同生活の楽しみにふたたび馴(な)れだすや否や...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...茶屋にも馴染が出来てそこから行った...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...その以前からの馴染(なじみ)は...
中里介山 「大菩薩峠」
...見馴れない人だが――」と...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...そこは馴れないところなのでお客で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...これでも馴れれば楽になるでしょうが...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...妙に気の善い馴々しいのが居た...
柳田國男 「どら猫観察記」
...「お前は小さいときからこのへんの山の景色に見馴れているから...
横光利一 「夜の靴」
...突然彼は話を換え急に馴れ馴れしい...
横光利一 「旅愁」
...殊にレェマン湖のごときは全くの馴致せられたる水である...
吉江喬松 「山岳美觀」
...馴れておりますから夜でも歩くようなものの...
吉川英治 「江戸三国志」
...日頃夫人の部屋に飼い馴らされている牡獅子(おじし)もまた...
吉川英治 「三国志」
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