...聞馴(ききな)れねえ口を利きやあがる...
泉鏡花 「浮舟」
...見馴れない服装の客人を前にして...
犬養健 「亜剌比亜人エルアフイ」
...地方農民がすべてを天災なりと諦めることに馴らされて...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...これは自分が昔手馴れた水差の蓋に紛れもないと仰っしゃって...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...私は次第にそれに馴れてきて...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...変に馴(な)れなれしい感じのする人だ...
新美南吉 「最後の胡弓弾き」
...こんな事には馴れて居るものと見えて...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...この道には馴れた筈のお園ですが...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...大廻りに横町からあの路地の向うへ出ろ」「…………」八五郎はこんな事には馴れておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...贅沢に馴らされているようなところもあるが...
久生十蘭 「キャラコさん」
...帰った当座は住み馴れたわが家も何だか物珍しく思われたが夏の緑に常よりも一層暗くなった室の中に大人のようにぐったりと昼寝する辛棒も出来ないので私はまた久しぶりで町をおとずれた...
水上滝太郎 「山の手の子」
...一度それに皮膚を馴らされた作家にとって...
宮本百合子 「おのずから低きに」
...馴れ合わないところに永続的な又正道的な成長力として互に作用出来るのだということを知りあっている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...お前の方が馴れてゐるのだから...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...この冷たい東風(こち)に馴れるまでのあいだであろう...
吉川英治 「黒田如水」
...そこの営内にはすでに見馴れない他人の旗が翩翻(へんぽん)とたなびいていた...
吉川英治 「三国志」
...まだ人馴れない嫁が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...怖ろしいことにも苦しいことにもすっかり馴れっこになって...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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