...表の方へ逃げて行く子供等はあはたゞしく石段を馳け降り始めました...
伊藤野枝 「白痴の母」
...家中残らずで喰べるに十分の御馳走であった...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...鋭き槍を手にとりて壘上高く馳け上る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...そうしてまたお延の方に想(おも)いを馳(は)せた...
夏目漱石 「明暗」
...一杯五銭の甘酒! 一杯五銭のしる粉! 一串二銭の焼鳥は何と肩のはらない御馳走だろう……...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...今日はわれ/\の結婚の祝ひの心で昔からゐた女中達を招いて家で馳走し...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...私は三階へ馳上った...
松本泰 「日蔭の街」
...ふうと馳(か)けて行って十ぺんばかりまわったと思うと...
宮沢賢治 「風野又三郎」
...近頃は社員中にも食道楽が盛(さかん)になって食物問題を注意しますから順番を極(き)めて一人ずつその日の御馳走役を引受けるものが出来ました...
村井弦斎 「食道楽」
...稲本を馳(は)せ出(い)で...
森鴎外 「細木香以」
...書生たちまでも誘ってご馳走につれ出してくれた...
柳田国男 「故郷七十年」
...それだもんでいつも御馳走になったあとでお風呂を頂くの...
山本周五郎 「契りきぬ」
...ロンパンの森の方から赤旗を首に立てた一台の自動車が馳けて来た...
横光利一 「旅愁」
...春は例の年始御答礼の勅使に御馳走能(ちそうのう)がござりまする」「お...
吉川英治 「江戸三国志」
...いそぎ使いを馳せて江夏より兄君を迎えられ...
吉川英治 「三国志」
...再びお後を慕い東国へ馳(は)せ下りますれば――」何か...
吉川英治 「源頼朝」
...渚を馳けて行った...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...すべてを沼津から取つてゐる御馳走も杜絶えるといふ始末で...
若山牧水 「樹木とその葉」
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