...馬鹿な奴だといって叱(しか)られるか知れない...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...「ふん、馬鹿な奴ッちゃ、今更こないなこと書かして何になる」いうて、夫も血の気エ失(う)せた頬(ほ)べたに冷やかなほほ笑み浮べてるだけで、「構(か)めへん、構めへん、放っといたらええ」いいましてんけど、そいでもその新聞いうたら信用のない小新聞ですさかい、まさか世間が真に受けるはずないやろいうのん頼みにして、何は措(お)いても光子さんとこい電話で知らして、「これこれの新聞家(うち)いも送って来たよって、光ちゃんとこいも来てへんか」いうたげましたら、慌(あわ)てて捜して見なさって、「来てた、来てた、ええ塩梅(あんばい)にまだ誰アれも見えへなんでん」いいなさって、その新聞懐(ほところ)に入れて、「どないしたらええやろ」いいながら駈(か)け込んで来なさいましてん...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...今時そんな馬鹿な奴があるかと言つて了へば其れで終ひですけれども...
談洲楼燕枝(二代) 「燕枝芸談」
...馬鹿な奴等はじつに厭だ! やがての果てには...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...馬鹿な奴が自分に向かって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「馬鹿な奴らばかりだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「先生」「何だ」「私はもう恐しくて歩けなくなりました」「馬鹿な奴だ...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...お願いでございます」馬鹿な奴だ! 意気地のない骨頂(こっちょう)の奴だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...僕は彼奴(あいつ)に三十銭やるつもりだったのに馬鹿な奴(やつ)だ」「何にも世話にならないのに...
夏目漱石 「二百十日」
...長いままでありましたろう」「ところがせっかく下すった山の芋を夕(ゆう)べ泥棒に取られてしまって」「ぬす盗(と)が? 馬鹿な奴ですなあ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...馬鹿な奴だよ」「どうしたんです...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...馬鹿な奴だと捨ぜりふを殘して歸つてしまひました」「確かに刀を拔いた樣子はなかつたのだね」「居合拔(ゐあひぬき)の名人でも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...俺でも辻斬をやり度くなるぜ」「九頭龍の旦那なら斬られても本望で」「馬鹿な奴だ」「ぢや御免下さい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それではあんたは馬鹿な奴等と同じように自殺行為をしてしまうことになるんだぜ」「貴方は尻込みしてるんだ」ウージェーヌが言った...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...馬鹿な奴じゃ」「わたしは...
火野葦平 「花と龍」
...涙もろい馬鹿な奴だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...何といふ馬鹿な奴だらう――などと私は思つたりしました...
牧野信一 「砂浜」
...まあ何といふ馬鹿な奴だらう――などゝ私は呟いたりしました...
牧野信一 「晩春の健康」
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