...古い由緒をもった原了廓の祇園名物香煎(こうせん)の店の交って居るのは京なればこそである...
岩本素白 「六日月」
...得意さうに香煎のなかへ塩を加減して...
薄田泣菫 「小壺狩」
...主人の坊さんが香煎を取り扱ふのに...
薄田泣菫 「小壺狩」
...坊さんの香煎もこんなだつたかも知れない」喜平はこんなことを考へながら...
薄田泣菫 「小壺狩」
...瓢から香煎(こうせん)をふり出して...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...樹明君来庵、香煎をすゝり、白菜新漬でお茶を飲んで別れる、めでたし/\...
種田山頭火 「其中日記」
...□香煎をすすりつつ追憶にふける...
種田山頭火 「其中日記」
...・冬夜さめてはおもひでの香煎をすゝりますお粥のあたゝかさ味の素の一さじ二さじ・噛みしめる味はひも抜けさうな歯で・更けてひそかに竹の葉の鳴る十二月十五日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...心しづかにして香をく、からだが弱つてゐる、香煎をすゝる、読むに本あり、思ふて懐かしい友あり...
種田山頭火 「其中日記」
...今日の食物――うどん一玉、ぬくめ飯一碗、香煎一杯、餅二つ、饅頭三つ!酒が飲めなくなつて菓子がうまくなる、木の実を味ふ、酒の執着がなくなつて貪る心もなくなつた...
種田山頭火 「其中日記」
...昼食は饅頭三つ、香煎一杯...
種田山頭火 「其中日記」
...頼んでおいた鰹節(かつおぶし)と池田さんからことづかった香煎(こうせん)をもってきて 餅は焼いてばかりたべずに雑煮にするがいい といって大きなひね茄子(なす)を二つ袂(たもと)から出した...
中勘助 「島守」
...女房(にようばう)は忙(いそが)しい思(おも)ひをしながら麥(むぎ)を熬(い)つて香煎(かうせん)も篩(ふる)つて置(お)いた...
長塚節 「土」
...兼(かね)博勞(ばくらう)が顧(かへり)みた時(とき)女房等(にようばうら)は割(わ)つた燭奴(つけぎ)の先(さき)を突(つ)つ掛(か)けては香煎(かうせん)を口(くち)へ含(ふく)んで面倒(めんだう)に嘗(な)めて居(ゐ)たのであつた...
長塚節 「土」
...「香煎(かうせん)嘗(な)めんのにや...
長塚節 「土」
...香煎(こうせん)を敬太郎の前に出した...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...香煎(こうせん)...
長谷川時雨 「流れた唾き」
...彼はそれまで香煎(こうせん)を啜っていたのだが...
山本周五郎 「へちまの木」
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