...料理に香気をつける...
...香りが立つ香気のキャンドルを灯す...
...香木の香気が漂っている...
...アロマオイルを使って香気を楽しむ...
...お茶の香気がふんわりと広がっている...
...松脂の香気に充ちた空気を胸一杯に吸い込むと...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...また実に秋の高逸閑寂な心そのものより発散する香気として...
薄田泣菫 「独楽園」
...全身は恍惚とした香気に包まれて艶々と輝き...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...日本的香気といふべきだらう...
種田山頭火 「其中日記」
...香気あたりにたゞよふ...
種田山頭火 「其中日記」
...山(さんざし)の香気が天の星座には無用だと断言し得る思想家はあるまい...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...どうも香気が抜けるので...
中谷宇吉郎 「北国の春」
...アメリカ人が山うどの香気を解するところから...
中谷宇吉郎 「北国の春」
...ミルク鉢のあの匂いが――六時の朝食に出されるミルクに浸した百姓パンから立ちのぼる甘い香気が――今またぷうんと匂うような気がした...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...『花彙(かい)』のジャコウソウの文中にはこれを誇張して述べ「茎葉ヲ採リ遠ク払ヘバ暗ニ香気馥郁タリ宛モ当門子(ジャカウ)ノ如シ親シク搓揉(モム)スレバ却テ草気(アヲクサシ)アリ」と書いてある...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...夜間ハスの生えている池辺を逍遥すればこの香気が忽(たちま)ち鼻を撲(う)ち来りて頗(すこぶ)る爽快を覚えます...
牧野富太郎 「植物記」
...其処に 日が照り 香気がちり朽ちても 大地に種を落す命の ひきつぎて となり得るのだ...
宮本百合子 「五月の空」
...こう手軽に検査が出来れば狡猾(こうかつ)な商人に偽物(にせもの)を押付けられる憂(うれい)もありませんがモット精密に検査する法がありますか」お登和「精密に検査すると第一が香気...
村井弦斎 「食道楽」
...己は此香気と、さつき己の来たのを見て不快を掩ひ得なかつたらしい態度とを思ひ合せて、多分主人が色気のある催をしてゐる最中に、己は飛び込んで来たので、邪魔になるのだらうと推察した...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...へリオトロープの強い香気が会堂に拡がった...
矢田津世子 「反逆」
...いや、おれたちも実は、決して、畜生以下のものじゃない)と、何か日頃の町の人々よりは、香気のある、より美しい、そして、尊敬に似た羨望(せんぼう)すら感じながら、凝(じっ)と、過ぎゆく浪人たちのほがらかな面(おもて)や服装を、不思議なもののように見送っていたのであった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...我らはその人格的香気のあまりにも希薄なのに驚かされる...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
...弘仁期の気分には素朴ながらにも強いデカダンの香気がある...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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