...やはり僕等日本人には容易に首肯することは出来ないのである...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...この盂蘭盆会(うらぼんえ)に水辺の家々にともされた切角灯籠(きりこどうろう)の火が樒(しきみ)のにおいにみちたたそがれの川へ静かな影を落すのを見た人々はたやすくこの自分のことばに首肯することができるだろうと思う...
芥川龍之介 「松江印象記」
...自分が悲しめる人を見て沈痛の滿足を感ずる經驗より類推して首肯することが出來るのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...少しく美術界の消息に通じてゐる者の誰しも首肯する所だ...
薄田泣菫 「茶話」
...と平気で首肯するので...
太宰治 「鴎」
...自信たっぷりで首肯する...
太宰治 「新樹の言葉」
...余は容易に之れを首肯する能はず有体にいへば...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...にわかに首肯することが出来ぬのである...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...百年の経験を十年で上滑(うわすべ)りもせずやりとげようとするならば年限が十分一に縮(ちぢ)まるだけわが活力は十倍に増さなければならんのは算術の初歩を心得たものさえ容易(たやす)く首肯するところである...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...これら各国の歴史を皆事実と首肯すると共に...
夏目漱石 「創作家の態度」
...そうして読者もこれを首肯するようになりました...
夏目漱石 「創作家の態度」
...如何にも牽強附會を極めたものであるといふことは何人も首肯する所であらう...
原勝郎 「鞦韆考」
...極めてありそうな事だと首肯するであろう...
久生十蘭 「魔都」
...いずれも真言なるは大に首肯するに足る...
藤島武二 「画室の言葉」
...一人で首肯するものがあつた...
堀辰雄 「萩原朔太郎」
...わたくしはこれを首肯する...
森鴎外 「空車」
...此中の消息吾人は人の必らず之を首肯するものあるを信ずる也...
山路愛山 「詩人論」
...これ程に明白な第六感の存在を首肯する事が出来ないのです」と説明しても...
夢野久作 「暗黒公使」
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