...饑うるは猶忍(しの)ぶ可し...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...饑死(うゑじに)をするばかりである...
芥川龍之介 「羅生門」
...饑死を選んだ事であらう...
芥川龍之介 「羅生門」
...これも同じように饑渇に困(くるし)められては居ながら...
レオニイド・アンドレイエフ Leonid Andrejew 森鴎外訳 「犬」
...大饑餓夢圓(まどか)なる滄溟(わだのはら)...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...一(ひと)つの穴に落ち合へる酒色と饑餓との民もあり...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...天保の饑饉年(ききんどし)にも...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...五十余年前の饑饉(ききん)の時...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...饑饉疫癘の凶相かと...
田中貢太郎 「日本天変地異記」
...その他疾病・饑饉(ききん)・放火・盗賊等を一掃し去らんとするの希望をしてすでに吾人が眼前に横たわらしめたり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...それからは毎日頭が痛いといつては学校を早びけにして首をふつて饑ゑを訴へてる兄弟に桑の葉をつんでやつたが...
中勘助 「銀の匙」
...〈饑饉ノ烈シキ熱気ニヨリテワレラノ皮膚ハ炉ノゴトク熱シ〉といふ言葉を思ひ泛べてゐた...
原民喜 「氷花」
...寒気と饑餓でつぎつぎに倒れ...
久生十蘭 「南極記」
...「私は饑饉(ききん)でみんなが死(し)ぬとき若(も)し私の足が無(な)くなることで饑饉がやむなら足を切っても口惜(くや)しくありません...
宮沢賢治 「学者アラムハラドの見た着物」
...「ふしあわせな! 二人とも死んだの? いつ?」「饑饉の年...
「赤い貨車」
...「大義名分を知らぬ俗物ども」と、帆平がどなった、「天下は大きく動きだすぞ、沿岸には外国船が迫っている、夷狄(いてき)はわが国土にいつ侵入して来るかわからない、国内は饑饉、政治は乱れ、民の心は幕府をはなれている、眼のある者なら大政を朝廷に還し、国内を統一し国土を挙げて外敵に当るべき時期だということがわかる筈だ」深喜は木剣を片づけて道場を去った...
山本周五郎 「花も刀も」
...毎日毎日攻撃は繰返され、家は焼かれ、饑餓は迫ったが、しかし彼らはあらゆる平和条件を斥けた...
和辻哲郎 「鎖国」
...彼は剣をぬき、砂の上に東西に線を引いて、南を指しつつ、「あちらの側には、労苦、饑餓、真っ裸、びしょぬれになる暴風、置き去り、そうして死がある...
和辻哲郎 「鎖国」
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