...吸收は餘裕ある状態である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...餘りそらぞらしく聞えたのである...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...けれども今この五篇のみを纏めて一本としようとしても、これだけでは、どうやら枚數に於いて不足の樣子であるから、卷末に、餘瀝として、昨年四月から、今年三月にいたる間の、時々刻々の隨筆を五六、附加した...
太宰治 「『思ひ出』序」
...そんな餘裕がなかつたので...
太宰治 「列車」
...餘程骨身にこたえたのであろう...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...私もまたかしこで餘のすべてを...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...そして沸流のことは朝鮮の古い歴史には扶餘國に解夫婁(ふる)といふ王があつて...
内藤湖南 「近畿地方に於ける神社」
...勘次(かんじ)は開墾(かいこん)の手間賃(てまちん)を比較的(ひかくてき)餘計(よけい)に與(あた)へられる代(かは)りには櫟(くぬぎ)の根(ね)は一つも運(はこ)ばない筈(はず)であつた...
長塚節 「土」
...これは疑ふ方が餘つ程無理です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さすが持て餘し氣味で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...唯もう商賣大事に働く外何んの餘念もありませんが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...仕方がないから餘計な手數をして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...床に入れば何んにも知らない」「下女のお信を殺したのは」「餘計なことを知つて居たからだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お前のやうな腥(なまぐさ)のお世話には能うならぬほどに餘計な女郎呼はり置いて貰ひましよ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...われに衆我を容れて餘(あまり)ある宇宙大の理想なかるべからず...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...この書物の餘白へ彼は簡單な戰爭の日記をつけて置いた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...舷窓の鐵の扉は餘儀なく閉された...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...人間の顏といふものを餘り見る事なくして過してしまつた...
若山牧水 「山寺」
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