...餓えたものでないと...
種田山頭火 「其中日記」
...そんな鼠を食うよりも餓え死をした方がいいと言います...
豊島与志雄 「愉快な話」
...その余瀝(よれき)が餓えたる犬の貪(むさぼ)り吸うところとなりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...按摩按腹(あんぷく)をしても餓えて死ぬ気遣(きづか)いはない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...心をむしばまれた芸術家たちが餓えながらも昂然と...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「予言者の家で」
...凶年に甘草(かんぞう)掘るとて餓えた羌人(きょうじん)群に捕われ...
南方熊楠 「十二支考」
...数月かくし続けて主人一族を餓えざらしめた...
南方熊楠 「十二支考」
...その後に幼児を負った女房二人――これは餓えと疲れの上に極度の不安のために気も遠くなったらしい様子で...
三好十郎 「斬られの仙太」
...餓えては居ないのである...
三好十郎 「俳優への手紙」
...貧しい多数の人たちが餓えているのに...
山本周五郎 「つばくろ」
...二十匹ばかりの餓えきつた動物が競つてたかつてきてパンとベイコンを奪い合つた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...彼の両頬は餓えた鹿のように細まって落ちていた...
横光利一 「日輪」
...「それだって、お米が買えなけれやあたしたち、餓え死するわ...
横光利一 「夜の靴」
...金銭は先ず持っていても餓えを満すに足りないというこの大都会の変動のさまも...
横光利一 「旅愁」
...溜めて置けますよ」「肉もなけりゃ」「餓え死はしませんよ」――フィリップはこう言う...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
...餓え死をしないだけのものは十分に稼ぐ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
...ルパンは女の血に餓えた凄まじい眼光が火の出る様に短刀を突き刺すべき頸(くび)の辺(あたり)にそそがれているのを知った...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
...しかし身命を放擲して野獣の餓えを充たした仏の心情は...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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