...真個天真なる状(さま)見えて言(ことば)を飾るとは思われざるにぞ...
泉鏡花 「海城発電」
...紅(あけ)に朱(しゆ)に矜(ほこ)り飾るも...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...最後の幕を飾る場面としてまんざら無用でないかも知れない...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...文人としての二葉亭の最後を飾るに足る傑作である...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...聖ジェロームが彼を慰めんために「他の良人(りょうじん)は彼等の妻の墓を飾るに菫菜草(すみれそう)と薔薇花(ばらのはな)とを以てするなれど我がパマカスはポーリナの聖なる遺骨を湿(うるお)すに慈善の香乳(こうにゅう)を以てすべし」と書送りしは蓋(けだ)し余が余の愛するものの墓において心に聞きし声と均(ひと)しきものならん...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...花を飾るに足らざらむ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...尚ほ又少し心に餘裕のある場合にはこの自分の生命の繋がつてゐる――もうこれが最後の運だめしだと心得てゐる――下宿屋即ちこの粗末な古びた建物を飾ることを以て慰藉とした...
高濱虚子 「續俳諧師」
...恣(ほしいまま)に着飾ることの出来る女の境遇を...
谷崎潤一郎 「秘密」
...同じように海上を飾る緑色のリボンとの中を...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...街壁を飾るネオンサインはみんな平気でともっていた...
寺田寅彦 「柿の種」
...与八は飾るところなく七兵衛に話すと...
中里介山 「大菩薩峠」
...敬太郎(けいたろう)は若い人の肉を飾る華麗(はなやか)な色をその裏に想像した...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...景山英子(かげやまひでこ)は女子新運動史をも飾る美人だった...
長谷川時雨 「明治大正美女追憶」
...貧しい子供達の頭をお祭のように飾る事を思えば...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ただ文章を飾る事を務めたもの...
正岡子規 「徒歩旅行を読む」
...もつとも日本の武士も、戰に臨む時は、派手を好んだ時代があるが、それは死を飾る、潔くする、といふ爲であつて、女の贈つた物を、見よがしに身に着けて果し合つたなどといふ例は、高田の馬場の堀部安兵衞のほかにはちよつと見當らない...
吉川英治 「折々の記」
...いかにことばを飾るも無用であろう」苟安(こうあん)の身はすぐ断刑の武士たちへ渡された...
吉川英治 「三国志」
...実際これまで辿ってきた壁面を飾る唐草模様が技巧的に劣っていることにも気づいていたが...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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