...真個(しんこ)天真なる状(さま)見えて言(ことば)を飾るとは思はれざるにぞ...
泉鏡花 「海城発電」
...華盛頓の議事堂を飾る立像を後世に殘したいといふ希望も...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...同時に日本説話宝庫を飾る...
高木敏雄 「比較神話学」
...春から夏の空を飾るべきものであった...
寺田寅彦 「春六題」
...帝國憲法史上の第一頁を飾るの人物たらむなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...久能は雑誌を飾るため新い作家として売り出していた龍野氏に原稿を依頼してあった...
豊田三郎 「リラの手紙」
...田舎に育っただけそれほど流行(はやり)の物に身を飾る心もなければ...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...宝石を飾る人とまったく反対の生活を送っている...
永井隆 「この子を残して」
...「ちょうど好いね」その軸は特にここの床(とこ)の間(ま)を飾るために自分が父から借りて来た小形の半切(はんせつ)であった...
夏目漱石 「行人」
...自己の体面を飾る強弁よりほかに何もあるはずがないと...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...婦人が髮でも飾るとか...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...彼の晩年を飾る聖譚曲(オラトリオ)の傑作に...
野村胡堂 「楽聖物語」
...こんなダイヤは人間の身体(からだ)を飾るのには...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...情けは武士を飾る...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「劒の教義」
...「お雛様はこの部屋に飾るんだつたかしら?」「いいえ...
牧野信一 「繰舟で往く家」
...私たちはあの着飾る贅沢(ぜいたく)な工藝を夢みる心を早く放棄せねばならぬ...
柳宗悦 「工藝の道」
...徒(いたず)らな俗情的な挨拶や謙遜を以て己を飾るべき場合でなかったようである...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...もつとも日本の武士も、戰に臨む時は、派手を好んだ時代があるが、それは死を飾る、潔くする、といふ爲であつて、女の贈つた物を、見よがしに身に着けて果し合つたなどといふ例は、高田の馬場の堀部安兵衞のほかにはちよつと見當らない...
吉川英治 「折々の記」
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