...紅や白に絢爛(けんらん)と着飾った美しい乙女の群ではなく...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...デコルテーを着飾った婦人を介抱して乗っているだけだった...
有島武郎 「或る女」
...赤で飾った濃紺の制服...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...落ち散る花を笹の枝に貫いて戦遊(いくさあそ)びの陣屋を飾った...
寺田寅彦 「森の絵」
...榊の枝を飾った簡単な供物机を据え...
豊島与志雄 「古井戸」
...やはりダイヤモンドを飾った夫を夢みるのだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...私は江戸以来男ながら小さな雛を持っていたのを飾ったが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...いつかライフ誌上を飾った「地球の丸みを示す写真」というのが...
中谷宇吉郎 「未来の足音」
...鶴の毛で飾ったものであるが...
中山太郎 「獅子舞雑考」
...白綸子(しろりんず)の覆(おい)をした小さな棺の上に飾った花環がちらちら見えた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...駝鳥(だちょう)の羽根で飾った帽子――貂(てん)の皮の外套(がいとう)...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...古式の鏡餅(おかがみ)を飾った書院造の大玄関へ今しも立現われて来たのは...
久生十蘭 「魔都」
...第二に悪風暴(にわ)かに起れば身に飾った宝衣全く失わる...
南方熊楠 「十二支考」
...それでもって巻頭を飾ったりしながら...
三好十郎 「恐怖の季節」
...父はお高の顔を見ることができなかった、自分の辛い顔もみせたくなかったのだ、それがいまお高には痛いほどじかに思い当る、ああ、どんなにお辛い気持で松本へゆけと仰しゃったろう、お高は胸を刺されるように感じながらしずかに続けた、「依田の家は貧しゅうございます、わたくしが糸繰りをしてかつかつの暮しをたてているのもほんとうです、けれどもそれはあなたがお考えなさるほどの苦労ではございません、こう申上げては言葉がすぎるかもしれませんけれど、こんどのことさえなければ、わたくし仕合せ者だとさえ思っておりました、依田の父はもったいないくらいよい父でございます、弟もしん身によくなついていて母のようにたよっていて呉れます、わたくしにはあの家を忘れることはできません、いまになって父や弟と別れることはわたくしにはできません」「それだけの深いおもいやりを、わたしたちにはしてお呉れでないの」梶女はすがりつくような口ぶりでこう云った、「ここをおまえのお部屋にと思って、襖を張りかえたり、調度を飾ったり、新らしく窓を切ったりした、着物や帯を織らせたり染めさせたりして、こんどこそ親子きょうだい揃って暮せるとたのしみにしていた、これでこそ父上もご出世の甲斐(かい)があるとよろこんでいたのですよ、それを考えてお呉れではないのかえ」それは哀願ともいうべき響きをもっていた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...言葉を飾ったり、衒(てら)ったりする必要のないなかまなので、相当くどく論じあったものであるが、――このままではだめだ、なにかしなくてはいけない...
山本周五郎 「山彦乙女」
...君子はおくさんの留守の間に人形を床の間に飾った...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...花で飾った馬車に乗って女王になるために泣きながら王宮に行った...
夢野久作 「白髪小僧」
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