...飢餓(うゑ)と恐怖(おそれ)と困憊(つかれ)と悔恨(くい)と……真暗な洞穴(ほらあな)の中を真黒な衣を着てゾロゾロと行く乞食の群! 野村は目を瞑(つぶ)つた...
石川啄木 「病院の窓」
...空の飢ゑた奴等は其の泳いで行く路の上を飛びまはる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...橋寺氏は家庭の空気と云うものに飢(う)えているらしいから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...もし自分さへ飢ゑと寒さに堪へる覚悟なら...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...サン・タントワヌと彼のがつがつした飢餓とを遠くへ吹き飛ばしてしまうほどの激動があったのだ...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...しかし、青空の下、白日で、そのほんとうの姿で見れば、それは、浪費と、失政と、誅求と、負債と、抵当と、圧制と、飢餓と、窮乏と、困苦との、崩れかけている塔なのです...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...女には飢えていない面をしていながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...かなり飢えていた兵馬にとっては...
中里介山 「大菩薩峠」
...飢渇は飢渇である...
西田幾多郎 「我が子の死」
...今から飢えて行く私達なのだ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...こうしたささやかな幸せに飢えているものである...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...逸すればもって飢ゆべし...
福沢諭吉 「成学即身実業の説、学生諸氏に告ぐ」
...聖人も野に飢えるという譬えはあるが...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...あらゆる種類の飢饉と窮乏とが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...飢餓や睡眠という懦弱(だじゃく)な要求を感じないような高度の智的存在は...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...絶対的飢饉ではなく貧困が人口原理の特殊的結果なのである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...恐怖する知覚さえ喪失(そうしつ)している飢民の群れだった...
吉川英治 「三国志」
...この県は戦争中の取立と近年にない飢饉(ききん)とで...
吉川英治 「人間山水図巻」
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