...例えば私が飢えた人を愛して...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...風の寒い濱邊を、飢ゑて疲れて、古袷一枚で彷徨(うろつ)き乍ら、其檣を眺むるともなく眺めて「破船」といふことを考へた...
石川啄木 「病院の窓」
...もはや彼の飢えをいやすに足りなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...色に飢えて人の妻女を犯すは盗なり其の心暴にして其の為す処拙し...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...飢えから来るところの不良性が...
中里介山 「大菩薩峠」
...大変中(なか)のよかった夫婦が飢饉(ききん)のときに...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...何かをしなければ飢(う)ゑてしまふ...
林芙美子 「浮雲」
...飢餓の火はじりじりと燻んで...
原民喜 「火の唇」
...まるで飢えた人間が食物をしっかとつかむように...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「判決」
...親子もろとも飢寒(きかん)の難渋(なんじゅう)まぬかれ難し...
福沢諭吉 「小学教育の事」
...ぼくはパリで飢(う)えて苦しむのだけはもうつくづくいやだよ」「ぼくの両親のうちへ行けば...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...ハッハッハッ」と笑っているところは恰(まる)で飢饉の実話以上……ここいらは首陽山に蕨(わらび)を採った聖人の兄弟以上に買ってやらなければならぬと思う...
夢野久作 「近世快人伝」
...その両女(ふたり)を取巻いて、磯くさい人間ども、幾人ともわかりません――悪魚の群のようなのが、飢えた目をして、今にもいどみかかりそうなけしき...
吉川英治 「江戸三国志」
...飢(う)えの巷を...
吉川英治 「大岡越前」
...飢民は暴徒と化し...
吉川英治 「三国志」
...飢(う)えていたことか...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そして一日の行乞(ぎょうこつ)に胃は飢えぬいているのであったが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...一人(いちにん)も飢ゑ死(じ)にし寒(こご)え死(じ)にしたる人ありときかず...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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