...数十万ノ人民産ヲ失イ業ニ離レ飢テ食ナク病テ薬ナク...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...救助の来るずっと前に私たちは飢餓に迫られて降服するより他しようがなかったからである...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...私は太陽に飢えた植物を自分のうちに感じながら...
高見順 「如何なる星の下に」
...時としては飢えに迫る妻子をすら忘れてしまうこの放浪画家も...
中里介山 「大菩薩峠」
...私たちは飢ゑて疲れきつて...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...飢ゑた獸のやうに零落して...
萩原朔太郎 「宿命」
...ああ狼のきたるによりわれはいたく怖れかなしむわれはわれの肉身の裂かれ鋼鐵(はがね)となる薄暮をおそるきけ淺草寺(せんさうじ)の鐘いんいんと鳴りやまずそぞろにわれは畜生の肢體をおそる怖れつねにかくるるによりなんぴとも素足をみずされば都にわれの過ぎ來し方を知らずかくしもおとろへしけふの姿にも狼は飢ゑ牙をとぎて來れるなり...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...それだけのことなのだ!(以下十九字不明)凍死し、飢え死にし、病死し、自殺し、殺戮(さつりく)されることは、その状態なのだ! (以下七字不明)! もし、新聞や、その他の社会が事実を顛倒(てんとう)してると考えるならば、それは、君が資本主義の社会を見ていないからだ...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...いつのまにか、飢ゑてゐる私は、その山の上の口について、愚かな童話を描いてゐた...
原民喜 「小さな村」
...飢えた狼に向かって命乞いをするよりももっと無駄なことなのだが...
平林初之輔 「或る探訪記者の話」
...不具(かたわ)にまで傷づけられた民族の誇りと声なき無数の苦悩を載せる故国の土地!そのお前の土を飢えたお前の子らが若い屈辱と忿懣をこめて嚥み下(くだ)すとき――お前の暖い胸から無理強ひにもぎ取られたお前の子らがうなだれ...
槇村浩 「間島パルチザンの歌」
...飢えて死にかけた骸骨のような人に充ち満ちた...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...あらゆる国は疑いもなく週期的な疫病(ペスト)と飢饉とに襲われることであろう...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...わたしがツールーズへんをいまのマチアのように飢(う)えてうろうろしていたじぶん...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...(二九)春冷ゆる雨に玄米洗ひけり飢えて寝る五尺男や春寒く〔二九〕五百円ばかり入った...
山本周五郎 「青べか日記」
...この家(いへ)の大勢が皆飢ゑねばならぬ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...飢(う)えは充分に救われたけれど...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...毎日三合宛(づつ)之を湯(ゆ)に入れて呑(の)み以て飢(うへ)を凌(しの)ぐを得...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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