...例えば先年の椿岳展覧会に出品された淡島嘉兵衛旧蔵の飛燕凝粧の図の如きは純然たる椿年派であって奔放無礙(むげ)の晩年の画ばかり知ってるものは一見して偽作と思うだろう...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...女のからだはまっぷたつと思いきや!飛燕(ひえん)のごとくに飛びあがったそのすばやさ! つぎの瞬間には将監の頭上で身をおどらし...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...千鳥草、又の名は飛燕草...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...「いえ、御領内から千人の美女を集め、千人から百人を選び、百人から十人を選び、最後の十人のうちから、殿御自身の御鑑定(おめがね)で御思召(おぼしめし)に叶った美人を一人だけ選び取られるので御座ります」「成程(なるほど)、それは面白かろう、早速その手配をするように、万事は三文字紋弥、其方(そのほう)に申し付けるぞ」「ハ、ハッ、昔の褒(ほうじ)、飛燕(ひえん)、貴妃(きひ)などいう絶世の美人は、悉くそうして選び出されました」そんな出鱈目(でたらめ)なことを言って、三文字紋弥は早速領内に美女狩出の大運動を起しました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...支那の褒(ほうじ)とか飛燕とか楊貴妃とか言う有名な妖婦は...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...褒とか飛燕とか楊貴妃とかは...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...飛燕(ひえん)といふ美しい女があつたんですつてね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...權八といふ名前ばかり意氣な道化の口上言ひがしやべるんだが」漢の成帝の后(きさき)趙飛燕(せうひえん)の傳説を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...キツネノボタン科に属する飛燕草(ヒエンソウ)属の一種なる Delphinium grandiflorum L. var. chinense Fisch. であると断定して疑わない...
牧野富太郎 「植物記」
...その他項羽の騅(すい)、呂布(りょふ)の赤兎、張飛の玉追、遠の飛燕、梁武帝の照殿玉獅子等、なお多かるべし...
南方熊楠 「十二支考」
...飛燕の如く新九郎の体が跳ぶ――斬り辷った大月玄蕃は...
吉川英治 「剣難女難」
...肩技(かたわざ)、背技、膝技から、尖飛(せんぴ)、搭舞(とうぶ)ノ法などと呼ぶ五体十部の基本の上に、八十八法の細かい型があって、飛燕(ひえん)、花車(かしゃ)、龍(りゅうびん)、搏浪(はくろう)、呑吐星(どんとせい)、などさまざまな秘術もある...
吉川英治 「新・水滸伝」
...飛燕(ひえん)の業(わざ)といってよい...
吉川英治 「新・水滸伝」
...廂官(しょうかん)がこっちへ来た」ふたりは、籠を抱えて、飛燕のごとく、たちまち、人波の中へ消え込んで行った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...飛燕(ひえん)の小躯(しょうく)に観衆はわき立ち...
吉川英治 「新・水滸伝」
...弦之丞の身は飛燕(ひえん)のごとくかわっていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...飛燕を斬って大太刀の修練をしたといったら...
吉川英治 「宮本武蔵」
...腰の戒刀(かいとう)を抜いて飛燕のように躍りかからんとするかに見えた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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