...おれも急に三人まで子を失(な)くしたらさびしくってならんから……」飛び立つような思いを葉子はいち早くもみごとに胸の中で押ししずめてしまった...
有島武郎 「或る女」
...また馬が廻つて来て、桜鳥は飛び立つ...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...鷲(わし)の羽音を聞いて飛び立つ一瞬前の小鳥のような感じの異様に緊張の顔つきをしていらして...
太宰治 「饗応夫人」
...鳥が塒(ねぐら)を飛び立つように裏門から出て行くのであろう...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...稀には何処から迷い込んだか洋服ゲートルの猟者が銃先(つつさき)に鴫(しぎ)や鵯(ひよ)のけたゝましく鳴いて飛び立つこともあるが...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ぱっと飛び立つところを...
豊島与志雄 「鴨猟」
...飛び立つ思ひなり...
中原中也 「我が詩観」
...飛び立つばかりに驚いて...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...そんなことを言い合っている間にいきなり私達の行手から飛び立つ鳥どもの羽音に...
堀辰雄 「雉子日記」
...暗黒に向って飛び立つ夕方の蝙蝠(こうもり)のように...
堀辰雄 「菜穂子」
...ときをり私たちを恐れて飛び立つ小鳥がある...
堀辰雄 「馬車を待つ間」
...一匹の蜜蜂の飛び立つのを見つけたのだ...
堀辰雄 「燃ゆる頬」
...やがてその蜜蜂はそれからも飛び立つていつた...
堀辰雄 「燃ゆる頬」
...私の姿を発見するやいなや鷺のやうに飛び立つて私の腕の中に転げ込みながら...
牧野信一 「武者窓日記」
...ぶらぶらと歩いて行く二人の直ぐ爪先きから鴉や鴎がさもさも退儀さうにバサバサと鳴る羽ばたきを立てゝ凧のやうに飛び立つた...
牧野信一 「籔のほとり」
...大抵の人ならこんな書面に接したら飛び立つように喜ぶであろうが...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...飛び立つほどだったが...
吉川英治 「三国志」
...一羽の鳩が飛び立つ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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