...澄みわたった山中の空を飛び去るところを見ていると...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...火の鳥の飛び去る如く...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...地球の廻転と反対の方向に飛び去るわけだが...
海野十三 「のろのろ砲弾の驚異」
...うしろへうしろへと飛び去る街燈の中を...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...私は呆然(ぼうぜん)と窓外の飛んで飛び去る風景を迎送している...
太宰治 「鴎」
...あとからもあとからも飛び来り飛び去るのである...
寺田寅彦 「烏瓜の花と蛾」
...洒落は飛び去る精神の糞である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...スルリとそれをかいくぐって飛び去る蝶...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...そのうちに年月は十年も十五年も飛び去る...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...たちまち一度に飛び去ることがあるのだ...
アンブローズ・ビヤース Ambrose Bierce 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...お前も今までのお前の姉妹が逃げたと同じやうに飛び去るのだらう...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...――私たちは気楽な鳥だ、もう世界中を旅していて、飛び去る時には、いつもあらゆる人の心を拉してゆく、というのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...三河で蛇が首を擡(もた)げたところを撃たば飛び去る...
南方熊楠 「十二支考」
...飛び去るところのものであるか...
三好達治 「測量船」
...南を指して飛び去るのを目撃したと言うのである...
武者金吉 「地震なまず」
...北のほうへ飛び去るのが見えた...
山本周五郎 「薊」
...まるでなにか飛び去るものを慌てて捉(つか)まえでもするような...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その小鳥の群れも、ぱっと羽音をのこして、飛び去ると、もう微風(そよかぜ)の音もしなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
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