...僅(わず)かばかりの身の廻りのものを友の家に預けて飄然として放浪の旅に上った...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...飄然と早稲田鶴巻町の戸泉という郷党の書生たちの下宿へ現れた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...時々飄然とあらわれて飄然と立ち去るという風であった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...飄然と何處ともなく出で行きぬ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...それは帆も楫も用いないで飄然とひとりで往く舟であった...
田中貢太郎 「竹青」
...すると李は飄然と来た...
田中貢太郎 「蓮香」
...それにも拘らず、露伴は五六囘で筆を絶つて、飄然として、赤城(あかぎ)の山中に隠れた...
田山録弥 「紅葉山人訪問記」
...軽装飄然として西行するや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...終に飄然として外国漫遊の客と為り...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...飄然と帰ってきた...
豊島与志雄 「波多野邸」
...三(み)たび飄然と中学を去った道也は飄然と東京へ戻ったなり再び動く景色(けしき)がない...
夏目漱石 「野分」
...養家の人に語つて長崎へ飄然と勉強に出掛けた...
野口雨情 「小川芋銭先生と私」
...飄然と牧水氏が訪ねて來て...
萩原朔太郎 「追憶」
...このリカルド・ガリバルジ君が飄然と現れた...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...飄然と倫敦へ移ってきたのである...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...そこへ飄然と、柏(かしわ)という友人が訪ねてきた...
松本泰 「日蔭の街」
...この坊さんはいつでも飄然(ひょうぜん)として来て飄然として去るのである...
森鴎外 「独身」
...何か気違いじみた素晴しく軽い飄然とした気持ちだった...
横光利一 「旅愁」
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