...「吉梵法師」と勒(ろく)された墓石は今なお飄々(ひょうひょう)たる洒脱の風(ふうぼう)を語っておる...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...飄亭はじめそれぞれ貴兄よりきびしく御請求あるべく候...
高浜虚子 「子規居士と余」
...あの降参が如何にも飄逸(ひょういつ)にして拘泥しない半分以上トボケて居る所が眼目であります...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...一人の旅僧が飄然(ひょうぜん)とやって来て...
田中貢太郎 「風呂供養の話」
...此の飄逸(ひょういつ)な坊主のお蔭(かげ)で確かに打ち解けて来たように感じ...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...無我飄々だ!四十四日ぶりに理髪して八日ぶりに入浴した...
種田山頭火 「其中日記」
...飄然(ひょうぜん)として京都に来つ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...美的にせよ、突兀的にせよ、飄逸的にせよ、皆吾人の物の関係を味う時の味い方で、そのいずれを選ぶかは文芸家の理想できまるべき問題でありますから、分化の結果理想が殖(ふ)えれば、どこまで割れて行くか分りません...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...噂(うわさ)をすれば陰の喩(たとえ)に洩(も)れず迷亭先生例のごとく勝手口から飄然(ひょうぜん)と春風(しゅんぷう)に乗じて舞い込んで来る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...例の招牌(かんばん)から釣込む植木屋は家々の招きの旗幟(はた)を翩翻(へんぽん)と金風(あきかぜ)に飄(ひるがえ)し...
二葉亭四迷 「浮雲」
...きょうびはあの飄逸な万橘の唄も...
正岡容 「寄席行燈」
...飄然と倫敦へ移ってきたのである...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...飄零(ひょうれい)として歩いてゆく...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...飄日のために暴(さら)されず...
南方熊楠 「十二支考」
...痴狂家の夢は稀疎にして飄忽たり...
森鴎外 「夢」
...やはり飄逸味たっぷりの妙筆です...
山本笑月 「明治世相百話」
...」東野は笑いながらすっと立ったかと思うとそのまま飄然と外へ出ていってしまった...
横光利一 「旅愁」
...こちらは飄然(ひょうぜん)たる旅人にすぎぬが」「まず...
吉川英治 「私本太平記」
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