...飄逸(へういつ)にして錆(さび)のある友禪(いうぜん)を一面(いちめん)ずらりと張立(はりた)てたやうでもあるし...
泉鏡太郎 「飯坂ゆき」
...飄亭(ひょうてい)...
高浜虚子 「子規居士と余」
...お銀様は飄々(ひょうひょう)として寝覚の里のあたりをそぞろ歩いておりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...時ならぬ風は飄忽(ひょうこつ)として起り...
中里介山 「大菩薩峠」
...山の芋をくれてよ」「あの多々良さん見たようなを云うのよ」「多々良さんは飄然なの?」「ええ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...飄然(へうぜん)として増田屋を去つてしまつたのは一と月ほど後のことでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...飄々と風を呼んでゐる風情は...
牧野信一 「剥製」
...酒気を帯びて飄然(ひょうぜん)と『柳亭』に現れた――例によってお玉に金の無心をしたが...
松本泰 「暴風雨に終わった一日」
...微雪飄瞥...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...筆硯杯盤香気飄...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...多年小説や雑俳などで鍛えた飄逸の点が筆端にも現われて...
山本笑月 「明治世相百話」
...半白の頤(あご)ひげをなびかせて飄然と来たり...
山本笑月 「明治世相百話」
...何か気違いじみた素晴しく軽い飄然とした気持ちだった...
横光利一 「旅愁」
...その諧謔家で一見飄乎とみえる高田氏の審判の日の一文が...
吉川英治 「折々の記」
...飄(ひょう)として...
吉川英治 「三国志」
...天雲を降りて天雲へ帰るがごとく飄々(ひょうひょう)とひょろけつつ五台山へもどっていく...
吉川英治 「新・水滸伝」
...飄然――いかにもそういったふうな武蔵の去来だったのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ニコルは再び飄然とプラスビイユを訪れた...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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