...それが颯々(そよそよ)風の吹くたびに動くので...
井上円了 「おばけの正体」
...秋風颯々として来るの思ひに堪へないからである...
心猿 「荷風翁の發句」
...ただ颯々(さつさつ)と風に吹かれて五...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...畑を流るゝ濁水(だくすい)の音颯々(さっさつ)として松風の如く心耳(しんじ)一爽(いっそう)の快を先ず感じて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...海ぞいの黍畑に立ちて何の願いぞも固き葉の颯々と吹き荒れるを見て二十五の女は真実命を切りたき思いなり真実死にたき思いなり伸びあがり伸びあがりたる玉蜀黍は儚なや実が一ツここまでたどりつきたる二十五の女の心は真実男はいらぬものそは悲しくむずかしき玩具ゆえ真実世帯に疲れるとき生きようか...
林芙美子 「新版 放浪記」
......
林芙美子 「放浪記(初出)」
...渝(かは)らぬ契(ちぎ)りの誰(た)れなれや千年(せんねん)の松風(しようふう)颯々(さつ/\)として血汐(ちしほ)は殘(のこ)らぬ草葉(くさば)の緑(みどり)と枯(か)れわたる霜(しも)の色(いろ)かなしく照(て)らし出(い)だす月(つき)一片(いつぺん)何(なん)の恨(うら)みや吊(とぶら)ふらん此處(こゝ)鴛鴦(ゑんあう)の塚(つか)の上(うへ)に...
樋口一葉 「別れ霜」
...俗士族は脇差(わきざし)を一本挟(さ)して頬冠(ほほかむ)りをして颯々(さっさつ)と芝居の矢来(やらい)を破(やぶっ)て這入(はい)る...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...颯々(さっさ)と写してスペルを誤ることがない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...長閑な海の上からは朝漁に出発する発動機船の音が颯々と響いてゐた...
牧野信一 「海路」
...矢継ばやに颯々と射貫れて...
牧野信一 「心象風景」
...直ぐに腕を組んで颯々と歩き出したが――三十分も待つたよ...
牧野信一 「タンタレスの春」
...松籟(しょうらい)颯々(さっさつ)と...
吉川英治 「三国志」
...颯々(さっさつ)と天声の詩を奏(かな)でていた...
吉川英治 「三国志」
...颯々(さっさつ)と奏(かな)でている一幹の巨松に出会う...
吉川英治 「三国志」
...地には颯々(さっさつ)の松原がやっと辺りを明るみかけさせて来た頃だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...颯々...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そしてツイ窓さきの木立の間をも颯々と流れ始めた...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
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