...何か先天的な心臓の弁膜か何かの故障らしく胸部に痛みを感ずるものらしかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...即ち自然哲学の先天的なる部分と経験的なる部分とを分った...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...何となればカントは一般に定理を先天的な部分に入れているのであるからである...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...そして計量とは経験的――物理的――測定ではなくして数と空間との先天的な対応に基くのであるから...
戸坂潤 「科学方法論」
...だが素質の方は或る限度まで先天的なもので...
戸坂潤 「現代科学教育論」
...彼に従えばカントによるかの先天的な幾何学なるものは...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...思惟は経験的に与えられたものから経験を要約し経験を先回りする処の原理的なもの(先天的なもの)を引き出し...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...先天的な判断を下し得るものは分析的(演繹的)判断だけで...
戸坂潤 「辞典」
...そうでない限り主観相互間の便宜的な約束乃至習慣(D・ヒューム)かそれとも先天的な約束(カント)にでも持って行く他はあるまい...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...ドイツ民衆に先天的な不信の念...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...先天的なものでもあり...
南部修太郎 「氣質と文章」
...私が健康であつたころ稍ともすればその先天的な怠堕性と貪婪性を憎んで手荒な扱ひを執つたのを...
牧野信一 「剥製」
...彼女は先天的な精神力によって階級のコムベンションを打破し...
宮本百合子 「アンネット」
...「一種の先天的な色情狂だというんです...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...先天的な観念がある...
吉川英治 「新書太閤記」
...先天的なものか後天的なものか...
吉川英治 「宮本武蔵」
...彼の太刀は実によく「粘る」ところに先天的な特色があった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その儘死んだ方がましだ)この先天的な曲芸人気質が...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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