...その夜の九時十五分東京駅発下関行急行――私がそれに何らの必要もなしにほとんど先天的な約束をさえ見出しかけていると...
谷譲次 「踊る地平線」
...先天的な兇激性の具象であった...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...何か先天的な歴史理論であったに反して...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...従って物質の構成というような先天的な問題とは関係がなかった処の...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...即ち自然哲学の先天的なる部分と経験的なる部分とを分った...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...そして計量とは経験的――物理的――測定ではなくして数と空間との先天的な対応に基くのであるから...
戸坂潤 「科学方法論」
...それが何か「知識階級」なるものの先天的な階級的宿命であり...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...先天的な而も総合的な判断はまず第一に数学に於ける諸判断である...
戸坂潤 「辞典」
...経験から独立した通用性を有つところの先天的な判断であることが出来たのである...
戸坂潤 「辞典」
...そうでない限り主観相互間の便宜的な約束乃至習慣(D・ヒューム)かそれとも先天的な約束(カント)にでも持って行く他はあるまい...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...もつと根本的な・先天的な・或る能力の缺如によるものらしい...
中島敦 「かめれおん日記」
...恐らく、この女にも見ぬほどの、たよたよしい、さも、無力にしか見えぬ、女がたが、舞台の芸の外に、かくも、神変幻妙な、武術の才を持っているのが、先天的な、異常な嫉妬(しっと)を、平馬に感じさせてもいるのであろう...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...彼女は先天的な精神力によって階級のコムベンションを打破し...
宮本百合子 「アンネット」
...「一種の先天的な色情狂だというんです...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...彼の太刀は実によく「粘る」ところに先天的な特色があった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...という先天的な不運に...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...その儘死んだ方がましだ)この先天的な曲芸人気質が...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...あの先天的なひねくれた気質が...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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