...わたくしが父に伴われて行った料理茶屋は堀端に生茂った松林のかげに風雅な柴折(しおり)門を結んだ茅葺(かやぶき)の家であった...
永井荷風 「十六、七のころ」
...突然愛雀軒(あいじゃくけん)と題した彼(か)の風雅な庭木戸を叩(たた)いたものがある...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...食器の清洒(せいしゃ)風雅なるまた大(おおい)に誇るに足るべし...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...一種風雅な檜笠をかぶっているが...
中里介山 「大菩薩峠」
...その壁を隙間(すきま)なく飾っている風雅なエッチングや水彩画などについて...
夏目漱石 「行人」
...ああ実に風雅なものだよ...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...至って風雅な生活をしていたのだが...
橋本五郎 「自殺を買う話」
...ここで風雅な四季のながめに耽っていたのだろうと...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...なかなか風雅なものである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...こんな異品をひとところに蒐めて作りその花を賞翫しつつ槿花亭の風雅な主人となった人をまだ見たことがない...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...彼女を拉(らっ)して竜泉寺あたりの風雅な宿屋へと出かけた(ああ...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...風雅な朱塗りの箸で名代(なだい)の共白髪をはさみかけたが...
正岡容 「圓朝花火」
...静かにそうしたものの稽古(けいこ)をする間もなかった自分は風雅なことの端も知らないで人となった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...風雅な趣きさえ感じます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...そうしてそれを風雅な器だと信じるほどに盲目となりました...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...なんとも云えない風雅な...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...風雅な雑誌『みなおもしろ』を発行して同十四年まで...
山本笑月 「明治世相百話」
...いっこう風雅などは...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
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