...海に接した部分は風に吹かれる幕の裾のやうに煽られながら惡夢の物凄さを以て近よつて來る...
有島武郎 「潮霧」
...風に吹かれる凧の尾のように...
海野十三 「火星兵団」
...それを引き留めて置くとひらひらと風に吹かれるようにして自分で帰って往った...
田中貢太郎 「水莽草」
...これによく似た春信(はるのぶ)の傘(かさ)をさして風に吹かれる女とを比較してみればすべてが明瞭(めいりょう)になりはしないか...
寺田寅彦 「浮世絵の曲線」
...そして大通りの風に吹かれると...
寺田寅彦 「丸善と三越」
...風に吹かれる一茎の葦(あし)のように...
徳田秋声 「縮図」
...ただ日にあたり風に吹かれるぐらいにしか感じなくなりました...
豊島与志雄 「土地に還る」
...大風に吹かれるように右へ左へゆらゆらと揺れます...
中里介山 「大菩薩峠」
...それは光沢もない、ただいたづらにしらじらと、雨を吸収する、風に吹かれる、幾分空を反映する...
中原中也 「在りし日の歌」
...風に吹かれると寒いのは...
中谷宇吉郎 「樹氷の科学」
...「ヘエ?」「江の島で崖から落ちて行方不明になった先代の千之助さん――世間では風に吹かれるかどうかして足を踏み外したと思い込んでいるようだが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...内地の風に吹かれるはずのないやつらが...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...さしあげた手は風に吹かれる穂波であった...
本庄陸男 「石狩川」
...案外風に吹かれる糸瓜のやうにぶらついてゆく...
三好達治 「銀座街頭」
...一枚一枚風に吹かれるのであった...
室生犀星 「幼年時代」
...冷風に吹かれるや否...
吉川英治 「新書太閤記」
...水面(みのも)から立つ狂風に吹かれると...
吉川英治 「源頼朝」
...たゞさうして醉つた身體を休めて風に吹かれるのが嬉しいのらしい...
若山牧水 「樹木とその葉」
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