...顴骨(くわんこつ)ばかり露(あらは)に痩せ細つて...
芥川龍之介 「枯野抄」
...その上顴骨(けんこつ)が高い...
芥川龍之介 「孤独地獄」
...下の大きな、顴骨の高い、耳と額との勝れて小さい、譬えて見れば、古道具屋の店頭の様な感じのする、調和の外ずれた面構えであるが、それが不思議にも一種の吸引力を持って居る...
有島武郎 「かんかん虫」
...職業の問題があったのかも知れないな」栄介は憮然として顴骨(かんこつ)のあたりを押えた...
梅崎春生 「狂い凧」
...そして更に下顎に及ぶ間延びのした大顴骨筋と咬筋とそれを被(おお)う脂肪と...
高村光太郎 「九代目団十郎の首」
...毛を毟(むし)られたシャモみたいな肌になり顴骨(かんこつ)がとびだし...
田中英光 「さようなら」
...窶(やつ)れた頬に顴骨が目立ってきて顔附を変にくずしていたが...
豊島与志雄 「生あらば」
...顴骨(かんこつ)から下がぐっと落ちこんで...
中島敦 「斗南先生」
...痩(や)せた・顴骨(かんこつ)の出た老人で...
中島敦 「狼疾記」
...鋭く突き出た顴骨と...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...平たい鼻と飛び出た顴骨と...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「予言者の家で」
...古賀は顴骨(かんこつ)の張った...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...その上の皮ががっしりした顴骨と腮との周囲に厚い襞を拵えて垂れている...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...顏も顴骨(くわんこつ)が稍出張つてゐるのが疵であるが...
森鴎外 「ぢいさんばあさん」
...顴骨(かんこつ)ばかり尖り...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...顴高く眉蹙(ちゞ)まれる老人は其眼を光らせて筆を揮(ふる)へり...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...角(かく)ばッた顴骨(かんこつ)と鋭い眉宇(びう)をそなえてもいる...
吉川英治 「江戸三国志」
...眼の下の顴骨(かんこつ)まで斬られている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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