...雨脚は濁らぬが古ぼけた形で一濡れになつて顯はれたのが...
泉鏡花 「遺稿」
...此處(こゝ)に顯(あらは)れた美(うつく)しい人(ひと)とも思(おも)つたらう...
泉鏡太郎 「艶書」
...白袍白馬の老縣主が靜々と評決場に顯はれて第三の太鼓は鳴つた...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...猿女の君――前にあつたウズメの命がサルタ彦の神を見顯す神話に接續するものである...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...浦賀奉行の報告にいふ「殺氣面に顯はれ...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...罔顧于天顯民祗...
内藤湖南 「支那歴史的思想の起源」
...それでたうとう露顯(ろけん)したのも因縁(いんねん)だらう」平次はさう言ひ乍らガラツ八を促(うなが)して家路に向ひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...時の終りに顯はになるべき永遠への希望は當然文化及び自然の世界の運命について關心を呼ぶであらう...
波多野精一 「時と永遠」
...「彼女は其の夫に向つて神の顯現とも云ふ可きものである」と...
濱田耕作 「シュリーマン夫人を憶ふ」
...これは東臺(とうだい)の五月雨(さみだれ)にながす血汐(ちしほ)の赤(あか)き心(こヽろ)を首尾(しゆび)よく顯(あら)はして露(つゆ)とや消(き)えし...
樋口一葉 「經つくゑ」
...如何なる人間學――このものは勿論唯物史觀の概念體系そのものに於ては直接に顯はでないが...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...」時間の各々の特殊な瞬間は神の一の特殊な方面の顯示であり...
三木清 「歴史哲學」
...その本來の歴史性に於て顯はにするものである...
三木清 「歴史哲學」
...彼が歴史敍述の本質をそれの端初の形象に於て眺めようと試みるとき最も顯はになるであらう...
三木清 「歴史哲學」
...皇孫姉の方は醜くしとて妹木花開耶姫のみ幸し、一夜で孕ませ玉ひしかば姉磐長姫大慙而詛レ之曰、假使天孫不レ斥レ妾而御者、生兒永壽、有レ如二磐石之常存一、今既不レ然、唯弟獨見レ御、故其兒必如二木花之移落一、一云、磐長姫耻恨而唾二泣之一曰、顯見蒼生者、如二木花之俄遷轉一、當二衰去一矣、此世人短折之縁也、古事記には此時大山祇神、長女が納れられざりしを恥ぢて詛(のら)うたので、今に至るまで天皇命等の御命長くまさゞる也と有る...
南方熊楠 「詛言に就て」
...顯象世界を撥無したる上の事となすを以て...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...世俗の國の尋常の顯象として視るべきである...
森鴎外 「古い手帳から」
...心の誠を顯はして...
森鴎外 「舞姫」
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