...必要な時には顫音発生装置をかけ...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...樂器は忽ち哄笑(たかわらひ)や顫音(ふるへごゑ)のおどけた鳴動をして答へた...
ルイ・ベルトラン Louis Bertrand 上田敏訳 「胡弓」
...凱旋の将軍の夫人が偸見(ぬすみみ)の如き冷かにしてあたたかなる銀の如き顫音を加へてしづやかに...
高村光太郎 「ヒウザン会とパンの会」
...その顫音が集って...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...插楽劇(メロドラマ)的な顫音(トレモロ)と奏楽珈琲店的な風情(ふぜい)とで重々しく広がっていった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...顫音(トレモロ)を伴わせながら無理やりに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...男が急な動作をするとそれにつれて顫音(せんおん)が聞こえ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その笑ひは明るい顫音符(トリロ)のやうにこぼれた...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...冷たい顫音を立てて落ちる雪しろ水を含めば...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...タルティーニ(Giuseppe Tartini1692―1770)のヴァイオリン・ソナタ「悪魔の顫音(せんおん)」はその――作曲者タルティーニが悪魔に魂を売った代償(だいしょう)として一曲の楽想を得た――という伝説と共に有名であるが...
野村胡堂 「楽聖物語」
...私はその最後の低い張(は)り切つた顫音(せんおん)が消えるまで――ちよつとの間止んでゐた話聲が再び元に歸るまで...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...憂鬱な音楽の顫音(せんおん)につれて震えていた...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...タルティニの「惡魔の顫音(トリロ)」にその妙技を見せた...
堀辰雄 「四葉の苜蓿」
...(まるで最初に彈いた「惡魔の顫音(トリロ)」のなかからでもちよいと彈き手の心の弛んだ隙間にまぎれ込んでしまつたやうな)そんな不意打ちにすつかり怯(おび)えながら...
堀辰雄 「四葉の苜蓿」
...パンを! スクラム!スクラム!一九三五年おれは―――毎日のように鞭でひっぱたかれる機械の顫音と荷物をうけわたす徒刑囚の退屈な懸け声と革紐で吊し上げられる囚徒の悲鳴と―――銃声とそして―――瞬間!殺戮の叫喚と混乱を聞き番号と重監禁の札をぶったつけられた独房の扉をおれは破れるばかりに叩きはじめた―――その時!突然...
槇村浩 「獄内にてドイツの同志を思う歌」
...だからクラリネットの顫音とボオル箱のとどろきとを伴奏として...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...それは小さいはげしいおびえたような顫音(トリル)で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...又きこえるこの顫音...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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