...大沼の湖心、酒を舟夫と分ちて、四邊を顧望す...
大町桂月 「赤城山」
...三成は、一寸攻めよせて見たるが、城南の丸墓山に上り、地勢を顧望して、水攻めを思ひたり...
大町桂月 「石田堤」
...中流微雨の中に顧望す...
大町桂月 「春の郊外」
...市民の群れは踵(きびす)を接して眼下遥かなる正門の前に集いて徊(ていかい)顧望立ち去りも得で敬虔なる黙祷を捧げておりました...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...すなわち低徊顧望よろしく...
谷譲次 「踊る地平線」
...前甲板に呉蓙(ござ)を敷いて天幕の張つてある處に座をとつて私はそこから四方を顧望してゐた...
近松秋江 「湖光島影」
...それとともに右舷の方を顧望すると...
近松秋江 「湖光島影」
...舟が漸次沖の方へ滑つてゆくにつれて四圍の風景を顧望してゐた...
近松秋江 「箱根の山々」
...西山北山を顧望するも亦さほどに都市發展の侵害を被つてゐないやうに見えた...
永井荷風 「十年振」
...うっかり風車にもたれて東の国を顧望していた時に...
中里介山 「大菩薩峠」
...いわゆる徊顧望(ていかいこぼう)の念に堪えやらぬもののようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...徊(ていかい)顧望して...
中里介山 「大菩薩峠」
...田山白雲を徊(ていかい)顧望せしめた...
中里介山 「大菩薩峠」
...枇杷島橋(びわじまばし)の上で、ファッショイ連を相手に、さしも武勇をふるった道庵先生が、ここは尾州清洲の古城址のあたりに来ると、打って変って全く別人のように、そこらあたりをさまようて、古(いにし)えを懐い、今を考えて、徘徊顧望、去りやらぬ風情に、これも自身我を忘れているのでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...徊顧望なんぞという...
中里介山 「大菩薩峠」
...顧望しつゝ過ぐれば...
長塚節 「草津行」
...郊に出て顧望するときは高崎城を見る...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...顧望(こばうする)に木曾の碓冰(うすひ)にも劣らぬ山形なり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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