...今更体面を、顧慮する如きは、姑息(こそく)の見(けん)であると云う...
芥川龍之介 「煙管」
...未来劫の後に来べき運命の所為を顧慮する要はない...
有島武郎 「運命と人」
...私は屡(しばしば)私自身に顧慮する以上に外界に顧慮しているからだ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...海の深浅を顧慮する法さへ知らぬ大馬鹿者の造つた船なら...
太宰治 「右大臣実朝」
...彼女に及ぼすであろう心理的影響を顧慮するところから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...毫末も顧慮するところがあってはならぬということはいうまでもあるまい...
津田左右吉 「芸術と国民性」
...なんら他を顧慮することなくして...
寺田寅彦 「科学と文学」
...その敵たるも顧慮する所なく...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...認識の内容を顧慮する時...
戸坂潤 「科学方法論」
...それがどんなに具体的な客観的事情を顧慮するように見えても...
戸坂潤 「技術の哲学」
...恐らく誰一人顧慮する者はなかったろう...
豊島与志雄 「地水火風空」
...何ら顧慮する所なく諸事を断行した...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...洋物は全く彼には無經驗であるが彼はそんなことを顧慮する暇さへ無かつた...
長塚節 「商機」
...之に生涯安心の生計を授けて學事の外に顧慮する所なからしめ...
福澤諭吉 「人生の樂事」
...当方を顧慮することなく...
牧野信一 「鏡地獄」
...体裁を顧慮することなく...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...別段堀口達の思惑を顧慮するわけではなかつたが...
牧野信一 「南風譜」
...またこの芸術家の心における変遷を顧慮することによっても理解せられなくてはならぬ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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