...我等が藝術の製作に際して顧慮することを要するものは固より社會でも民衆でもなくて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...私は屡(しばしば)私自身に顧慮する以上に外界に顧慮しているからだ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...何も顧慮する處はない...
石川啄木 「札幌」
...毎日顧慮することなく...
梅崎春生 「庭の眺め」
...何を顧慮する余裕もなく...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...海の深浅を顧慮する法さへ知らぬ大馬鹿者の造つた船なら...
太宰治 「右大臣実朝」
...私の淫蕩の血はそんなことを顧慮する隙(すき)を与えなかったのであった...
谷崎潤一郎 「鍵」
...彼女に及ぼすであろう心理的影響を顧慮するところから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...一面から見れば両者が往々この弱点を暴露してそれがために生ずる結果の利害を顧慮するいとまがないという事が少なくとも両者に共通な真剣な熱情を表明するのであるかもしれない...
寺田寅彦 「科学者と芸術家」
...なんら他を顧慮することなくして...
寺田寅彦 「科学と文学」
...而(しこう)して彼これを以て人を勧めて顧慮する所なきのみならず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...」木原は周囲の人々の思惑に顧慮することなく...
豊島与志雄 「道標」
...米刃堂追々この主意を閑却し売行の如何を顧慮するの傾きあり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...洋物は全く彼には無經驗であるが彼はそんなことを顧慮する暇さへ無かつた...
長塚節 「商機」
...伴れの者も顧慮することなく一散に駆け出して行つた...
牧野信一 「まぼろし」
...先日大学を止めて気も心も軽くなり何の顧慮する事もいりませんので...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...その食う必要を顧慮する必要の無い苦楽座が...
三好十郎 「俳優への手紙」
...まるで両者の関係を顧慮することなしに置いてある...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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行くところまで行った 叛臣 採石場
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