...俺の心は今此意識に面して顛倒してゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...シャアを宥(なだ)めるようにしてカ氏が初めからの顛末(てんまつ)を私にも飲み込めるように説明してくれるのであったが...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...山田春塘の著『日本橋浮名歌妓』は明治十六年六月檜物町(ひものちょう)の芸妓叶家歌吉といへるもの中橋の唐物商(とうぶつしょう)吉田屋の養子安兵衛なるものと短刀にて情死せし顛末(てんまつ)を小説体に書きつづりしものにしてこの情死は明治十三年九月新吉原品川楼の娼妓盛糸と内務省の小吏(しょうり)谷豊栄が情死と相前後して久しく世の語り草とはなれるなり...
永井荷風 「桑中喜語」
...妙なことから行き違いになってしまった(この顛末はあとで委しく書く)...
中里介山 「生前身後の事」
...放して下さい」娘は顛倒して走りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...まことに凄まじい大顛落(てんらく)をやったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...顛倒(てんとう)したお楽には気がつかなかったのでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...吉三郎毒死の顛末(てんまつ)を細々と訊くと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...水は顛落(てんらく)するものを何でも呑(の)みこんだ...
本庄陸男 「石狩川」
...附近の人達はすぐに盜難の顛末を思ひ起した...
水野仙子 「女」
...熱さに驚き蛇動いて勇士を顛倒したと言い...
南方熊楠 「十二支考」
...この見方は価値顛倒(てんとう)となるであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...第二の誤解は本末の顛倒だ...
柳田国男 「雪国の春」
...お敷き下さい」半三郎も動顛(どうてん)していたのだろう...
山本周五郎 「菊千代抄」
...死の恐怖で動顛(どうてん)したあの人数を抑えきることはできない...
山本周五郎 「さぶ」
...しかし王朝を顛覆さした民衆は...
横光利一 「静かなる羅列」
...「あッ!」一角は動顛(どうてん)して後ろへ倒れたが...
吉川英治 「剣難女難」
...公卿すべても動顛のていだった...
吉川英治 「私本太平記」
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