...「いえ手前でございますならまだいただきたくはございませんから……全くこのお話は十分に御了解を願うことにしないとなんでございますから……しかし御用意ができましたのなら……」「いやできておっても少しもかまわんのです」父は矢部の取りなし顔な愛想に対してにべなく応じた...
有島武郎 「親子」
...故(ゆえ)に彼に神がこの証(あかし)の確証を今与え給わんことを願うのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...かねて、こういう危険があるかもしれないと思い、余(よ)は、注意を願うよう、上申しておいたのに」「私も、たびたび長官に、申上げたんですがなあ」そういって、舌打ちをしたのは、長官の副官だった...
海野十三 「二、〇〇〇年戦争」
...不吉を願う重臣たちに...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...その上で一遍皆さんに嵯峨の子爵邸までお越しを願うようなことにしたいと思うが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...あなたにお引取りを願うのも...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...二人だけの会話をしたいと願うのである...
萩原朔太郎 「小泉八雲の家庭生活」
...この辺はとくと御諒承願う事として...
久生十蘭 「魔都」
...疑わしき事実の行われざるを願う者なり...
福沢諭吉 「女大学評論」
...私は自分の身の安全を願う心持からも...
水上滝太郎 「遺産」
...あの院に愛されることを願うのがほんとうのようだ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人から見られぬよう見られぬようと願う心の休みなく働いているのよりも...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...むしろ甘美・容易・かつ手近な快楽の方を願う...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...どうあろうか」「願うてもないことです...
吉川英治 「剣の四君子」
...信雄卿の御運命よかれと願う一途(いちず)のほかに...
吉川英治 「新書太閤記」
...一日も遅く京へ着きたいものと願うているのじゃ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...すすんで地獄の炎をあびようとすら願う者もあるのである...
吉川英治 「親鸞」
...生(しょう)を願うては煩悩の濁海にもてあそばれているのみ...
吉川英治 「親鸞」
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