...現在においてはそれがブルジョアとプロレタリアの二階級において顕著に現われているのを見るという前提を頭に描いて筆を執ったものだ...
有島武郎 「片信」
...屹立する感傷と珍奇なる言語とを振りかざしている――それも顕著に...
ジョージ・オーウェル George Orwell The Creative CAT 訳 「詩とマイクロホン」
...大体来潮時の前後に於いて最も顕著になると云っているのであるが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...今のこの関係を顕著に示している...
戸坂潤 「科学論」
...資本主義のいきづまりが愈々増々顕著になって来たこの三四年来...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...これ等の諸対立が歴史の展開に従ってこの二列の哲学イデオロギーにまで愈々顕著に集約されて行くのが現在の事実なのである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...なる程小林は殆んど凡ての意図を一応かなり公平に無私に理解出来る理知的な文芸批評家だから、他人と喧嘩すべく無意味な興奮にかられるような心配はまずないが、それでも少なくとも私は、何かに向かって吠えている彼を至る処に、顕著に見出す、之は私の錯覚ではないだろう...
戸坂潤 「思想としての文学」
...谷崎氏の作品中には顕著に三個の特質が見出される...
永井荷風 「谷崎潤一郎氏の作品」
...非常に顕著に芸術的である場合にのみ起る...
中原中也 「芸術論覚え書」
...霜柱は関東地方の赤土に最も顕著に出来やすいもので...
中谷宇吉郎 「雪」
...まず我々の心を、幅のある長い河と見立ると、この幅全体が明らかなものではなくって、そのうちのある点のみが、顕著になって、そうしてこの顕著になった点が入れ代り立ち代り、長く流を沿うて下って行く訳であります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...また自然主義の道徳の弊が顕著になって人心がようやく厭気(いやけ)に襲(おそ)われるとまた浪漫主義の道徳が反動として起るのは当然の理であります...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...かくのごとく顕著に灼然炳乎(しゃくぜんへいこ)として遠慮なくはあらわれて来ない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...欧米の読書界ではこの傾向は世界大戦後急に顕著になってきたということであり...
平林初之輔 「探偵小説の世界的流行」
...雑器のうちに最も顕著に見られるという事において...
柳宗悦 「民藝四十年」
...一層顕著に目覚めて来たことです...
与謝野晶子 「階級闘争の彼方へ」
...ダルメイダの報告などにもその傾向が顕著に現われて来ている...
和辻哲郎 「鎖国」
...京都におけるキリシタンの存在を非常に顕著に示すことになった...
和辻哲郎 「鎖国」
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