...Iが室(へや)にはいつて来た時町子は一ぱいに涙をためた目でぢと男の顔を見据えながら暗い尖つた顔付きをしてゐた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...佗しい囚人か何かのように限りなく悲しそうな顔付きで風にあたっているジーキル博士を...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...何気ない顔付きをしてるのだった...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...学僧らしい顔付きをしていると人気があった...
長谷川時雨 「西川小りん」
...手際よく顔付きだけはごまかしては居たが――それは一層彼にしては堪らない同情のされ方で...
牧野信一 「熱海へ」
...あのやうに尤もらしい顔付きをして「若しもタキノが...
牧野信一 「貧しき日録」
...その辺を見廻している中にひどく悲しそうな心細い顔付きになり...
三好十郎 「おりき」
...可笑(をか)しさを耐(こら)へ居る如き顔付きを致し候...
アルツウル・シユニツツレル Arthur Schnitzler 森林太郎訳 「アンドレアス・タアマイエルが遺書」
...……その近眼らしい痩せこけた顔付きの下から...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...何かもっと云いたいような顔付きをしたが...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...運命の神様のお力によって出来た事ばかりなのでございます」ハラムの顔付きがみるみるうちに...
夢野久作 「ココナットの実」
...どちらも顔付きから智恵や学問や背恰好(せかっこう)...
夢野久作 「白髪小僧」
...その顔付きは罪人に対する法官のように屹(きっ)となった...
夢野久作 「暗黒公使」
...落魄(らくはく)している顔付きを思い出すに連れて...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...すると、お八代さんは又うなずいて、すぐ横の母屋の腰板に引っかけてある一間半の梯子(はしご)を自分で持って来て、土蔵の窓の下にソッと立てかけて、私に登って見よと手真似で云いつけましたが、その顔付きが又、尋常で御座いません...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...わざとらしい驚いた顔付きで問うた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その顔付きたるや...
夢野久作 「焦点を合せる」
...どんよりした顔付きをして聞いていた...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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