...流石(さすが)に皆んな心配らしい顔付きを隠すことは出来なかつた...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...Iが室(へや)にはいつて来た時町子は一ぱいに涙をためた目でぢと男の顔を見据えながら暗い尖つた顔付きをしてゐた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...娘が疲れて茫(ぼ)んやりした顔付きで次の間で帯を解いてゐると...
犬養健 「愚かな父」
...彼等は真剣な顔付きで交々被害地の実情を訴えてやまなかった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...「それで」と警部は重大そうな顔付きに微笑を浮べて言った...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...何気ない顔付きをしてるのだった...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...この時ほど彼の顔付きは不思議な意外な様をしていることはかつてなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...学僧らしい顔付きをしていると人気があった...
長谷川時雨 「西川小りん」
...どこともなく陰鬱な顔付きをして...
葉山嘉樹 「工場の窓より」
...事更に憤つとした顔付きをして...
牧野信一 「妄想患者」
...とてもお預りしてはとこう……」「……」話の途中からだんだん柔和な顔付きを取り戻していっていた圓太郎が...
正岡容 「小説 圓朝」
...加多の方をボンヤリしたような顔付きで見て立っていた後...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...可笑(をか)しさを耐(こら)へ居る如き顔付きを致し候...
アルツウル・シユニツツレル Arthur Schnitzler 森林太郎訳 「アンドレアス・タアマイエルが遺書」
...信者の中から几帖面な顔付きの男が立ち上って祭壇に近づき...
矢田津世子 「反逆」
...口をへの字なりにして頬の肉をタルましたりしている顔付きのモットモらしいこと……妾だって往来のまん中でウルフを見つける事は出来ないだろうと思った...
夢野久作 「ココナットの実」
...実は色々の人種の顔付きを揃えていて小さな人種展覧会の観がある...
夢野久作 「暗黒公使」
...その顔付きは罪人に対する法官のように屹(きっ)となった...
夢野久作 「暗黒公使」
...すると、お八代さんは又うなずいて、すぐ横の母屋の腰板に引っかけてある一間半の梯子(はしご)を自分で持って来て、土蔵の窓の下にソッと立てかけて、私に登って見よと手真似で云いつけましたが、その顔付きが又、尋常で御座いません...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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