...廊下に上る石階の直ぐ左手に腰掛けてゐた四十四五の色の黒い眉尻の下つた一見区役所の雇と云つた風な顔付に稍々(やや)滑稽味のある顔をした男が...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...僕は手品のように思うが……」すると速水は怒ったような顔付で僕の方を振りむいたが...
海野十三 「深夜の市長」
...あの男の顔付きから考えれば...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...真面目(まじめ)な顔付きです...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...奥さんに逢つて(女中さん怪訝な顔付で呼びにいつた)ちよつと挨拶する...
種田山頭火 「行乞記」
...何気ない顔付きをしてるのだった...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...何だかじりじりしてるらしい顔付に...
豊島与志雄 「好意」
...そしてひどく陰欝な顔付になった...
豊島与志雄 「黒点」
...不機嫌(ふきげん)な顔付をして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...突然真面目な顔付になって云った...
豊島与志雄 「月かげ」
...せつなさうな顔付で起きあがつてくるその様子は...
豊島与志雄 「北極のアムンセン」
...暫くはぼんやりした顔付で...
豊島与志雄 「楊先生」
...彼の態度とその顔付きとに明らかに浮き出していたただ一つのことは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...現にその自尊心を裏切(うらぎり)している物欲しそうな顔付(かおつき)とを同時に彼らの前に示すのです...
夏目漱石 「こころ」
...心配の合併した状態で何だか落ちつかない顔付をして控(ひか)えている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...と云ふ顔付をしました...
牧野信一 「I Am Not A Poet, But I Am A Poet.」
...じきにお臥寝(やすみ)になってしまいましたよ」婆さんは私が夢でも見たのだろうというような顔付をして...
松本泰 「日蔭の街」
...それにつれて嬶(かかあ)や子供の何も知らぬ顔付きが...
夢野久作 「鼻の表現」
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