...Iが室(へや)にはいつて来た時町子は一ぱいに涙をためた目でぢと男の顔を見据えながら暗い尖つた顔付きをしてゐた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...気短で傲慢といったような顔付に見えた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...彼(かれ)はひどく真面目(まじめ)ぶった顔付で「坂本君...
田中英光 「オリンポスの果実」
...にこにこした顔付で立っていた...
豊島与志雄 「神棚」
...没表情な硬ばった顔付だった...
豊島与志雄 「子を奪う」
...顔付です...
豊島与志雄 「椎の木」
...同じく喪服ずくめであったが――放笑(ふきだ)したくてたまらながってるような子供らしい顔付をしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...脹れていた顔付が...
豊島与志雄 「南さんの恋人」
...緊りのない脹れっぽい顔付に...
豊島与志雄 「理想の女」
...彼は怒ったような顔付で「あたりまえさ」と答えた...
中島敦 「虎狩」
...御常は口惜しくって堪まらないという顔付をした...
夏目漱石 「道草」
...何事が始まるのかといった顔付で思い思いのところへ控えている...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...深い憤(いきどほり)を包むに苦しさうな顔付をすることが常であつた...
平出修 「瘢痕」
...如何にも自分のものらしい顔付きで...
牧野信一 「スプリングコート」
...何処へも寄らなかつた隆造は先程出た時と同じやうな顔付でまたフラ/\と深川の家へ帰つて来た...
牧野信一 「白明」
...明るい顔付...
三好十郎 「その人を知らず」
...一般の習慣から甚だかけ離れた顔付をしておりますから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...顔付きなぞに依ってコタえるように書くところも違う...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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