...お末は泣きたいだけ泣いてそつと顔を上げて見ると...
有島武郎 「お末の死」
...」と顔を上げて目を合わせる...
泉鏡花 「女客」
...わずかに顔を上げてお妙を見たが...
泉鏡花 「婦系図」
...おくみは下目になつて聞いてゐた顔を上げて...
鈴木三重吉 「桑の実」
...安重根 (どきりとして顔を上げて...
林不忘 「安重根」
...「もう、勝にも、逢えんかもしれぬ」勝は、顔を上げて、斉彬を見て「それは?」「お身のような、人材の居るのを知って、安心をした...
直木三十五 「南国太平記」
...話し終つて、顔を上げて、Aの顔を見ると、Aは和んでゐるのだ...
中原中也 「心理的と個性的」
...よく顔を上げて見なさい...
平林初之輔 「悪魔の聖壇」
...すると辻は急に顔を上げて山田の方を見たが...
北條民雄 「道化芝居」
...一体あのどういう道に進ませましたなら……」ややあって恐る恐る顔を上げて玄正がこう訊ねた...
正岡容 「小説 圓朝」
...磯 (顔を上げて香代を見て)……さう?…しかし...
三好十郎 「地熱」
...長い溜め息をしいしい顔を上げて涙を拭きますと...
夢野久作 「死後の恋」
...彼の女は少しは胸が霽れたやうに顔を上げて...
吉井勇 「酔狂録」
...顔を上げて見ることができないのである...
吉川英治 「大岡越前」
...日吉も顔を上げて...
吉川英治 「新書太閤記」
...膝行袴(たっつけ)の紐(ひも)や草鞋(わらじ)を見ておけよ」先刻(さっき)から俯向(うつむ)いて、叱言(こごと)を聞いていた日吉は、「おじさん」と、顔を上げて、訊ねた...
吉川英治 「新書太閤記」
...突然顔を上げて見まわした...
吉川英治 「新書太閤記」
...――ふいに枕から顔を上げてどこかを見まわす彼のひとみは底光りがしていた...
吉川英治 「親鸞」
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