...僕の問には答へずにあたりの松の木へ顋(あご)をやつた...
芥川龍之介 「O君の新秋」
...「今計(はか)ったら七度二分――」お絹は襟に顋(あご)を埋(うず)めたなり...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...海松房(みるぶさ)ほどな髯(ひげ)の垂れた顋(おとがひ)をひたと砂につけて...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...剃刀(かみそり)を当てたばかりの顋(あご)で...
芥川龍之介 「沼地」
...小鬢(こびん)の禿から顋へかけて...
芥川龍之介 「鼠小僧次郎吉」
...長さは五六寸あって上唇(うわくちびる)の上から顋(あご)の下まで下っている...
芥川龍之介 「鼻」
...上唇の上から顋(あご)の下まで...
芥川龍之介 「鼻」
...顋髯(あごひげ)の長い老人さへやはり船ばたに立つてゐたのである...
芥川龍之介 「本所両国」
...角顋は、久米のような気もするし、久米でないような気もする...
芥川龍之介 「MENSURA ZOILI」
...顋髯(あごひげ)のある死骸(しがい)が一つ岩の壁によりかかっている...
芥川龍之介 「誘惑」
...眞黒な顋鬚(あごひげ)を生やした男で...
石川啄木 「菊池君」
...いま自分の顋の下へ自棄に突っ込んでコジ上げた棒の一端を...
中里介山 「大菩薩峠」
...顋(あご)に触るる限りは噛み砕いても...
中里介山 「大菩薩峠」
...顋(あご)のあたりに利刃(りじん)がひらめく時分にはごりごり...
夏目漱石 「草枕」
...打ち洩(も)らされた米粒は黄色な汁と相和して鼻のあたまと頬(ほ)っぺたと顋(あご)とへ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...孰(いず)れも顋(おとがい)を気にし給(たま)う方々...
二葉亭四迷 「浮雲」
...昇は顋(あご)を撫(な)でてそれを聴いていたが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...顋(あご)をグッと突き出すと同時に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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