...中央にありて思案に咽ぶ如き痛ましき妻の顏妻を頼りに思ふ如く片手に削りかけの下駄をもちてその顏を仰いだる弱々しき夫の顏...
千家元麿 「自分は見た」
...亡国の民の心ほど頼りない淋しいものはないのです」と...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...また如何に頼りないものかということを...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...花が咲いてるよと手を引くままに杖を頼りに畑の隅に来てみれば...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...この世に残るあなた様にはお頼りなさる人がひとりもないと思うと...
中里介山 「大菩薩峠」
...まことに頼りない存在です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この兄はそんなにまでお前に頼りにならぬと思われたのか?)こういう立場に立った小夜子が...
浜尾四郎 「死者の権利」
...頼りあふ異性に凭れてゆく便法をつくらなければ...
林芙美子 「暗い花」
...頼りなささうに秋風に靡いて居るその姿...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...身内で頼りとできる唯一人の父上が...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...この燈火(ともしび)は私のたつた一つの頼りない希望なのだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...頼りなく物悲しかつたが...
牧野信一 「鏡地獄」
...頼り処の出来た様な気持になって...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...私はここでは普段よりもいつそう頼りなく茫然自失に近い状態にゐるのである...
三好達治 「銀座街頭」
...サマリアの女昔はやくアブラムが家畜の群に水飼ひし12045泉に頼りて願ひまつる...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...お初のことやら病気やらで思いやつれた孤独の身が今では種を唯ひとりの頼りに生き永らえているようなものである...
矢田津世子 「神楽坂」
...あんたのことを一生の頼りにしていたんでしょう...
山本周五郎 「さぶ」
...そのときのうらさびれた頼りない気持ときたら...
山本周五郎 「陽気な客」
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