...養父の遺産と云うものが以前のようには頼りにならなくなって来たからであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...まことに頼りのない父だが...
徳田秋声 「縮図」
...しかし五つか六つしか年の違わない若林の何かにつけて淡泊で頼りないのに比べると...
徳田秋声 「縮図」
...生活の頼りとなるべき人形が必要である...
豊島与志雄 「子を奪う」
...しかも非常に頼り少ないのだ!――正にそのとおりだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自分自身が妙に頼りなくて...
豊島与志雄 「反抗」
...岸山先生の診察ぶりのこれはまたあまり簡単過ぎるのに少し頼りないような気もして...
永井荷風 「寐顔」
...水島はさうした頼りない詞を私に囁いて...
南部修太郎 「疑惑」
...母が亡くなつてからはお糸一人を頼りにして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...頼り少い日を送つて居る男だつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...加野が死んだと云ふ頼りを受けた...
林芙美子 「浮雲」
...はかなごと七つ許りも重なれば離れ難かり朝の小床もつまらない頼りにもならない様なことでもそれが七つも重ると自ら意味も生じ頼もしさも出て来てはかないながらそれらしい形が具つて来る...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...今の場合父の常用の消化薬をさえ手頼りにする気になった...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...その字の暗示するごとくやや高燥な草原であって水利の土木工業が大いに進まぬ限りこれを田にする見込みはほとんとなくわずかに多雨の年を頼りにして麦豆類を作るか...
柳田國男 「地名の研究」
...はてさて日頃の誼みなどというものは頼りにならんものだ...
吉川英治 「三国志」
...その頼りない挙動を見ると...
吉川英治 「新書太閤記」
...何があっても頼りにはしません...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...これらの不安や頼りなさや無力の感じを...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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