...頻りに義雄に勸めた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...酒が一頻りまはると...
薄田泣菫 「茶話」
...太洋の岸邊所載)鶯此頃どこか近所に住んで居る鶯が裏の空地へ來ては頻りに啼くいつもたつた一羽切りで朝から晝過ぎまで朝らしい氣持を失はないで疲れもしないで啼いてゐる...
千家元麿 「自分は見た」
...頻りに袂や懷を探して居られたが「あゝさう/\今日は持つて來なんだのぢや」と言つて又急がしさうに降りられる...
高濱虚子 「俳諧師」
...しかも、妻が頻りに、それでなくては挨拶が出来ないといふやうに、堅く執つて放さなかつたので、客も為方がないといふやうに、『さうですか、それぢや御免を蒙りませうかね』かう言つて、立つて座敷の方へ案内されて行つた...
田山録弥 「ある日」
...頻りに節をつけて歌でもうたふやうにして言ふのだつた...
田山花袋 「道綱の母」
...私はこの不思議なものを頻りに想うようになる...
外村繁 「澪標」
...呑氣なにも程があるといつて道者等が頻りに呟いて居る...
長塚節 「鉛筆日抄」
...其子が頻りに主婦さんにせがんでは春さんの手に縋つて居た...
長塚節 「菜の花」
...田の方に人声が頻りであつた...
原民喜 「廃墟から」
...鮮やかな抜手を切つて頻りに泳いでゐた...
牧野信一 「スプリングコート」
...俳句が頻りに浮んで来るので...
正岡子規 「墨汁一滴」
...その後お母さんのところからは頻りにお手紙下さいます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...しばしば線路を歩いて行く支那人に逢ふので車上の男達が頻りに大声を揚げて警戒した...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...「……?」秀吉はやがて、それへ顔をすりつけるようにして、頻りと、何かさがしていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...頻りに信長公が死なれたという噂があるが...
吉川英治 「新書太閤記」
...むむ」頻りに、夜来の敵状況を、聞き取っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...その代り佛法僧は近來頻りに啼くのださうだ...
若山牧水 「梅雨紀行」
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