...夜明近い鷄の頻りに啼立てるまで...
石川啄木 「天鵞絨」
...ナムールの隘路を頻りに苦慮するが...
石原莞爾 「戦争史大観」
...両隣に座つてゐる婦人は頻りにその背中で眼をさました子供をからかつたり...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...頻りに其の意気の壮んなるに感嘆されたが...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...そんな事まで知っているのが妙じゃないか」「竹村は頻りに博士と百合子との関係を云って...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鷺娘」
...夫人は頻りにページを繰って何か探し求めている容子(ようす)だったが...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...さっきから頻りに困ったような様子をしているのは...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それから起る音の旋律に節を合はせつゝ頻りに声を立てゝ歌つた...
田山録弥 「一室」
...道庵が、お喋り坊主を休み茶屋の中へ連れ込んで療治を加えている間、外に立っている群集は、相変らず踊り狂っていたが、暫くして頻りに、その偶像を返されんことを要求します...
中里介山 「大菩薩峠」
...女房は頻りに剪の音をさせながら櫛で抄ひあげる樣にしては髮の先を少しづゝ斬つて居る...
長塚節 「おふさ」
...そこの女をとらへて頻りに頼太は丹那トンネルの自慢をした...
原民喜 「丹那トンネル開通祝ひ」
...何か頻りに沈思している風だった...
牧逸馬 「双面獣」
...エドワードという男は何処かで見た事のある顔だと思って頻りに記憶を辿って見るが...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...頻りに恩に着せた...
水野葉舟 「香油」
...しばしば線路を歩いて行く支那人に逢ふので車上の男達が頻りに大声を揚げて警戒した...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...怖いのだ! 頻りと...
吉川英治 「宮本武蔵」
...柳生家の領土を侵害しているという噂が頻りと聞えてくる...
吉川英治 「宮本武蔵」
...河鹿が頻りに鳴いた...
若山牧水 「梅雨紀行」
便利!手書き漢字入力検索