...やつとこさで頭越しに屋敷のほかの場所へ持ち運ぶことにしたさうだ...
薄田泣菫 「茶話」
...群衆の頭越しに一刻も早く...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...買い手たちと話しながら、その頭越しに、眉根(まゆね)をよせて自分の賛美者を観察していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...遠くから人の頭越しに...
中里介山 「大菩薩峠」
...何故かだんだんに身ずくみして行くやうな女の姿を頭越しにぢつと見守つてゐた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...そんなところで盃洗なんか振り回して」芸子共の頭越しに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...八五郎の頭越しに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...姑(しゅうとめ)およしお婆さんの頭越しに錦子を睨(にら)めつけた...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...意味ありげな面持(おももち)でカルルの頭越しに船長のほうを見やった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...その男はまたそれをKの頭越しにもどした...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...人の頭越しに行方を探し...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...観客の頭越しに銃をぶっ放したら...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...」するとかれの頭越しにむこうをながめながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...通る人の頭越しに川の水で足を洗うという話が伝わっており...
柳田国男 「故郷七十年」
...後に立って懐ろ手で頭越しに覗(のぞ)いて居たりする...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
...ぐずぐずしていると、ひっぱたくぞ」手綱の端を鞭(むち)にして脅(おど)すと、城太郎は、つよく首を横に振って、「嫌だっ!」「イヤだと」「おれの馬だ、この馬で、先へ行った人へ追いつこうたってそうはゆかない」「女子供と思って理由(こと)をわけていうのに、童(わっぱ)め、つけ上がって何をいうか」「なあ、お通さん」と、梅軒の頭越しに、「この馬は、渡せないね、この馬を渡しちゃいけないね」お通は、城太郎のそのことばを、健気(けなげ)と賞(ほ)めてやりたかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...お下げ髪の頭越しにアブ公の顔がこっちを見た...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...税を払わないでいい幸福なモナコ公国民の頭越しに...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??