...自分でもぽかぽかしてきた両頬を抑えてみた...
犬田卯 「おびとき」
...渠のをととひ削(そ)つた濃い頬ひげの生えかけがかの女の肌をきつく刺した...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...頬ずりなんかしたのかといふことを...
鈴木三重吉 「青い顔かけの勇士」
...六絃琴竪琴(たてごと)に合わせて頬に涙を伝わらせながら...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...すると私はもう一度その頬を拭いてやり...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...熱い玉のような涙がはらはらと両頬(りょうほお)に流れ落ちた...
近松秋江 「霜凍る宵」
...音のいい頬打ちを二つばかり食わしておいて...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...頬辺と口許とを歪めて...
豊島与志雄 「阿亀」
...肉の豊かな赤みの濃い頬に...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...その両の頬(ほお)に接吻した時...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...頬の肉が痙攣的に震えた...
豊島与志雄 「程よい人」
...蒼味(あおみ)の注(さ)した常の頬に...
夏目漱石 「行人」
...ホテルの料理番は私の頬(ほ)っぺたを一匙(さじ)喰べて見て...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...私は頬をふくらませて...
堀辰雄 「麥藁帽子」
...わたくしだつて頬べにをつければ頬はあかくなるし...
室生犀星 「はるあはれ」
...いきなり二ツ三ツ源次の頬を見舞った...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...老公の頬に、すこし紅(くれない)がさした...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...斬れた』と、人々の間から流れた感嘆の声を聞くと、環の眦(まなじり)は、たらたらと、湯のような涙を垂らして、一筋の歓喜(かんき)を、頬へ描いた...
吉川英治 「山浦清麿」
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