...「我句を人に説くは我頬がまちを人に云(いふ)がごとし」と作品の自釈を却(しりぞ)けてゐる...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...自暴(やけ)に麦煎餅を頬張つた...
石川啄木 「鳥影」
...頬のあたりがうそ痒(がゆ)い……女房は擽(くすぐった)くなったのである...
泉鏡花 「薄紅梅」
...ふつくらとしてしろい頬の花...
大手拓次 「藍色の蟇」
...その折松風氏は卓子(テーブル)に頬杖をついてこくり/\居睡(ゐねむ)りをしてゐたが...
薄田泣菫 「茶話」
...また窓際に頬杖(ほおづえ)をしていたのですが...
田中貢太郎 「雪の夜の怪」
...またその頬にあのほゝえみの浮かぶのを餘所(よそ)ながら眺めては...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...そのあおざめた頬にあふれ落ちました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...明け放された窓からは初夏の風がサカンに頬や帽子の鍔に吹きつけてゐた...
中原中也 「我が生活」
...林檎のやうな頬をした少年の顔が浮んでゐた...
北條民雄 「道化芝居」
...利助 なにを? 酔つてゐると? 大きなお世話だ!(言葉の一つ一つに留吉の肩や額や頬を突きこくる)俺あな...
三好十郎 「地熱」
...そしてやつと離れを出たときに少年達はみんな熱さうな頬を...
室生犀星 「めたん子傳」
...いつも頬っぺたが赤く...
山本周五郎 「青べか物語」
...「――だからどうだっていうんですか」慶三は顎を撫でていた手を頬からこめかみのほうへすべらしながら...
山本周五郎 「季節のない街」
...頬にいつもの皺(しわ)がより...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「私は云ってやりました、わが伊東家は御領内に住んで、代々の御恩がある、もし伊達家から扶持(ふち)を下さるというのなら、家禄の多少によらずお受けをしよう、だが、同族の骨肉を食(は)むわけにはまいらない、甥(おい)の知行から一粒の米でも貰うようなら、お断わり申す」甲斐の眼が微笑し、頬に皺がよった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...漆(うるし)のような引き眉に毒々しい頬紅口紅をつけ...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...のべつ、あぶねえ風をくぐって、世間の裏をあるいているお尋ねもんが、いちいち、ねちねち、色恋にしろ、捏(こ)ね返(かえ)しちゃいられるもんけえ、飽いたら、別れるまでのことよ」窓がまちに、頬杖をのせて、東堀の水に、眼を落した...
吉川英治 「治郎吉格子」
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