...ひやりと頬(ほお)にさわったかと思うと...
芥川龍之介 「偸盗」
...深山頬白(みやまほほじろ)鳴(な)きかへる十六夜薔薇(いざよひばら)の葉(は)がくれに...
薄田淳介 「白羊宮」
...ひしがれた胸、こけた頬、それは嘘(うそ)でなかった...
太宰治 「逆行」
...果実の肉がはち切れるほど水気を持っていることとて歯をあてたとたんにぽんと音高く割れ冷い水がほとばしり出て鼻から頬までびしょ濡(ぬ)れにしてしまうほどであった...
太宰治 「ロマネスク」
...喜ばねばならんのじゃ」女は片手で頬杖をつきながら...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...色が白く頬がふっくらしていて...
豊島与志雄 「落雷のあと」
...さすがに頬も硬張(こわば)って...
野村胡堂 「礫心中」
...悪魔(でもん)の面を鋳(い)出した南蛮頬をつけた男が忍びだしてきて...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...右の頬っぺたに靨(えくぼ)の出来る...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...何だか口一杯頬張っていて...
二葉亭四迷 「平凡」
...私の頬に觸つてゐるのに氣がついた...
堀辰雄 「麥藁帽子」
...彼女のつぶった眼の下や口のまわりや頬の皺にひそむにぶい影に炉の火が映っていた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「漁師」
...当てて御覧」「滝夜叉かい」「エエなぜ」「だって滝夜叉が一番いいんだもの」お鶴は嬉(うれ)しそうに笑ってまた頬擦りをするのだった...
水上滝太郎 「山の手の子」
...頬のいろも似ている...
室生犀星 「津の国人」
...蒼白い蝋(ろう)のような頬には髪が乱れかかり...
山下利三郎 「流転」
...平手で頬を殴った...
山本周五郎 「さぶ」
...脇息(きょうそく)から頬杖を外して...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...そっと瞼(まぶた)や頬を指の腹で撫でていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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