...尤も片頬腫れ上られ居り候へば...
芥川龍之介 「糸女覚え書」
...永山はモウ三十を越した、何日でも髮をペタリとチックで撫でつけて居て、目が顏の兩端にある、頬骨の出た、ノッペリとした男で、醉つた時踊の眞似をする外に、何も能が無い、奇妙に生れついた男もあればあるもので、此男が眞面目になればなる程、其擧動が吹き出さずに居られぬ程滑稽に見えて、何か戲談でも云ふと些(ちつ)とも可笑しくない...
石川啄木 「菊池君」
...直ぐ義雄はインバネスの袖で頬をこするふりをして...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...知らないけれど」女は自分の頬に掌を当てた...
梅崎春生 「幻化」
...クリュセーイスの紅頬はアガメムノーン收め得き...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...その頸(くび)筋と頬(ほお)が少し彼の眼にはいった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...頬から頸筋へかけた皮膚のだだ白さに...
豊島与志雄 「花ふぶき」
...私は背よりも高い藪をむちやくちやにかきわけながらでこでこな灌木の枝に頬をはじかれ...
中勘助 「銀の匙」
...火鉢(ひばち)の割合(わりあひ)には大(おほ)きな鍋(なべ)に頬(ほゝ)が觸(さは)るばかりにしてふう/\と火(ひ)を吹(ふ)いた...
長塚節 「土」
...ずん/\と消(き)え行(ゆ)く雪(ゆき)を悦(よろこ)ぶやうに頬白(ほゝじろ)がちよん/\と渡(わた)つた...
長塚節 「土」
...蝋涙がタラタラと女の頬へ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...十六歳の美しい頬を染めるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そのころでは高い鼻と豊頬(ほうきょう)とのもちぐされで...
長谷川時雨 「テンコツさん一家」
...彼はすつかりオレンヂエエドと頬のほてりを忘れてしまつてゐた...
堀辰雄 「顏」
...足拵え厳重、裸、手拭い頬被り、切り立ての白木綿の下帯腹巻、その上に三尺をグイと締めてそれにゴボー差しにした鉄拵へ一本刀...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...その頬のふくらみを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...躯も頬も火のように熱い...
山本周五郎 「風流太平記」
...頬へ手をやりながら...
吉川英治 「江戸三国志」
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