...僕も野呂の荷物の整頓に力をかしてやり...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...さるを思へば、そのはじめ、かゝる重き編輯の命を、おふけなくも、いなまずうけたまはりつるものかな、辭書編輯の業、碩學すらなやめるは、これなりけりと思ひ得たるにいたりては、初の鋭氣、頓にくじけて、心そゞろに畏れを抱くにいたりぬ...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...風致頓に俗了せり...
大町桂月 「常磐の山水」
...この十日間程で頓に出揃うことになった...
戸坂潤 「社会時評」
...主に文学の世界で最近頓に著しくなって来たものがこの傾向であることは前に述べた...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...威力を頓に加えるに至ったのは全くここに由来するだろう...
戸坂潤 「読書法」
...世間の心ある人士はわが唯物論研究会のこの客観的意義をば最近頓に「認識」するに到った結果であろう...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...頓に索莫となった身辺を顧みて...
中島敦 「妖氛録」
...一雨ざつと降りさへすれば松の葉もおしろいの葉も埃がすつかり洗はれて秋の涼しさは頓に催すのであらうが...
長塚節 「須磨明石」
...爰に頓に國會を開て...
福沢諭吉 「帝室論」
...五十の半ばを過ぎたばかりの彼は健康頓に衰へ...
堀辰雄 「萩原朔太郎」
...九月、瑞西に歸りしも、健康頓に衰へ、ヴァルモンの療養所に入る...
堀辰雄 「リルケ年譜」
...屋敷を整理整頓に保ち...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...このカーテンの大破のため館の景情頓に荒涼...
正岡容 「山の手歳事記」
...活字で読む講談落語は頓につまらなくなり...
正岡容 「寄席風流」
...雪中に取り散らかされた品々を整頓にかかった...
松濤明 「春の遠山入り」
...歌声頓に変りたる...
吉井勇 「老境なるかな」
...彼の物ぐさと整頓には不得手な性質をよくあらわしていた...
吉川英治 「私本太平記」
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