...古藤はしかし頑固(がんこ)にもその中に一言(ひとこと)も自分の消息を封じ込んでよこすような事はしなかった...
有島武郎 「或る女」
...彼もまた弱い人の通性として頑固に自分に執着した...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...この時も一人の頑丈な四十位のおっさんが出て来たんだ...
梅崎春生 「蜆」
...彼は慢性および頑固な症例を治療する方法を始めた...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...潔癖などということは、ただ我儘(わがまま)で、頑固で、おまけに、抜け目無くて、まことにいい気なものである...
太宰治 「如是我聞」
...自分の義務としてる多少頑(かたくな)な理知的なしかしごく高尚な意見のうちに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いかなる頑強さぞ! 陪審員諸君...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...飛騨の高山から持ち来たして見せると頑張ったが...
中里介山 「大菩薩峠」
...その他には頑強(がんきょう)の抵抗があって...
夏目漱石 「創作家の態度」
...――ところで内弟子のお秋を呼んでくれ、少し訊きたいことがある」「ヘエ」間もなく八五郎に引立てられて来たのは、十六七の踊の弟子というよりは、摘綿(つみわた)の弟子によくある型の、少し野暮ったい、そのくせ存分に気取った、頑丈な娘でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...気の付いたことはないかな」「何んにも」金之助は頑固らしく首を振るのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...第一に福之助は階下(した)で頑張つて何處へも行かないし...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼はまだ頑に呆然と待ち望んでゐる...
原民喜 「画集」
...さすが物に動じない頑固一点張りの相手も...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...人びとはこういう大きな頑丈(がんじょう)なお城(しろ)に...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...禿頭(はげ)の親爺(おやじ)がピンピンして頑張っておりましたので……その親父(おやじ)が引いてくれた魚類(さかな)の荷籠(めご)に天秤棒(ぼおこ)を突込んで...
夢野久作 「近世快人伝」
...頤(おとがい)の頑固さ...
吉川英治 「平の将門」
...幅二十尺ほどの頑丈な敷石道を通じているのである...
和辻哲郎 「鎖国」
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