...□堕胎と避妊についていゝ原稿が可なり集まりましたから出さうと思ひましたけれどこの間の今月号ですからどうかとあやぶまれもしますし少し注意をうけたこともありますので暫(しばら)く見合はせて玉稿はお預かりいたして置きます...
伊藤野枝 「編輯だより(一九一五年九月号)」
...「ちょいとお預かりして...
高見順 「いやな感じ」
...当医院に於いても他の部分に疾患のある方をお預かりして置いて万一のことがあってはならないと思うので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それで誰も道場を預かり手がない――という噂を聞いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...身にも命にも替へ難い大事の品を預かり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...側用人桑原伊織が預かりますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...白洲(しらす)へ出て述べ立ててみるがいい」「何を」「それからこの腰の物は後日のために預かりおく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...勿体(もったい)なくも御観劇ありし際特(こと)に優旨(ゆうし)を以て御膝下(おんひざもと)近くまで御招(おんまね)きに預かり...
福田英子 「妾の半生涯」
...身分違いの河原者、しかも、世の中に名も聞えぬ、生若(なまわか)い身にはございますが、痩せ腕ながら菊之丞、屹度、雪太郎坊っちゃまを、お預かりいたし、必ず御無念を、このお子の手で晴らさせて御覧に入れます」ほんに、どのような宿世(すくせ)であったか、その晩以来、雪太郎は、菊之丞の手に引き取られて、やさしい愛撫(あいぶ)を受ける身となったのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...伊太夫は厩から牧場へ能登守を案内して「せめて此の中から一頭なりともお見出しに預かりますれば...
三田村鳶魚 「中里介山の『大菩薩峠』」
...ただ私たちだけでお預かりしているのでございますから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...お預かりしております国の用がうちやってはおけませんので...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「このお屋敷じゃあ預かり物もするのか」「なあにそんなんじゃあねえ」燗酒を湯呑でぐっと呷(あお)って...
山本周五郎 「風流太平記」
...美濃(みの)の菩提山(ぼだいさん)の城へお預かり申すこととなりました...
吉川英治 「黒田如水」
...私が大切に預かりましょう...
吉川英治 「三国志」
...茶入はお預かり申して置きまする)と云う返事だった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...桐井角兵衛は罪人の揚屋(あがりや)を預かり...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...黙ってお預かりと出かけたんだが……」源次は静かに顔色をかえていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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