...そのあるものは波に響く...
泉鏡花 「歌行燈」
...同じくわかりやすい発声のうちでも特に耳に快く響く流麗なものにひかれるであろうから...
伊丹万作 「雑文的雑文」
...よく響く音が出だした...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...それの鳴り響く音や...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...いかにも不調和で不釣合いに響くのである...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...それを合図にチョンと拍子木が響く...
永井荷風 「すみだ川」
...吹く風に乗せられて微(かす)かに響くと思う間(ま)に...
夏目漱石 「琴のそら音」
...沢の螢一(ひー)二(ふー)三(み)野寺の鐘が鳴る顔蒼白き旅人よ野寺の鐘は野に響く蜻蛉(あけづ)は沼の藻の花に露は草木の葉に降つた沢の螢は皆燃える...
野口雨情 「別後」
...上方唄(かみがたうた)の三味線の音がゆるく響くと...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...コルクを抜く音はポンポンと響く...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...キクロウプスの口笛を想はせられる陰々たる吹雪の音が響くのであつた...
牧野信一 「鬼の門」
...吐けば朗々として恰も混沌の無何有から山を越えて鳴り響く不死なるものゝ風韻が籠つてゐるかのやうであつた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...汗をかいてくさい臭いをプンプンさせても無駄なことではございますまいかの」花婆やはカナつんぼのくせにおそろしいおしゃべりでしかもひとりごとの大家ですそこら中につつぬけに響く大声でしゃべりながら墓地と垣根にはさまれた細長い無縁墓地に並んだ無縁ぼとけの墓の間を毎朝の日課の...
三好十郎 「詩劇 水仙と木魚」
...下々の小さい所へどう響くかと云う話が...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...かかる声が響くなら...
柳宗悦 「工藝の道」
...チチチッ チチッ ヒヨヒヨヒヨ チッこういったような、よく響く、まろやかな声である、ひと月ほどまえ、三月はじめの、まだ朝の肌寒いじぶんには、梢からおりて、(釜戸の火を恋うるかのように)すぐ近くまで、寄って来たものであった...
山本周五郎 「山彦乙女」
...歩く度びに靴の踵から頭へびいんと響く痛さにいつも泣き顔を漂わせ...
横光利一 「旅愁」
...手に持つ刀の柄がガタガタと鳴り響く...
吉川英治 「剣難女難」
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