...王子の音無川(おとなしがわ)の如き細流(さいりゅう)...
永井荷風 「日和下駄」
...王子の音無川(おとなしがは)の如き細流(さいりう)...
永井荷風 「水 附渡船」
...名づけて『音無しの構え』と申し...
中里介山 「大菩薩峠」
...音無の剣術ぶりの物語をし...
中里介山 「大菩薩峠」
...音無の慾深が、河堤の上から此方を見あげてゐるぜ...
牧野信一 「鬼の門」
...死ぬよりも辛いぞ!」と音無は震へながら煩悶した...
牧野信一 「鬼の門」
...米俵を家根へ運び出せ……」音無が夢中で駈け込んで来たのであつた...
牧野信一 「鬼の門」
...思ひなしか消沈の意気で首垂れてゐるらしい音無の主が...
牧野信一 「酒盗人」
...――はからずも音無の森でツオイス像の高笑の御声を聞かうとは何たる妙佳なことであらうよ...
牧野信一 「酒盗人」
...凡そあたりには著名なる処とてもなく全く発展の余地もない辺鄙な一劃で電灯の光りでさへもが音無宿まで赴かぬと拝まれもせぬ草深さだつた...
牧野信一 「剥製」
...帰りこし都の家に音無しの滝はおちねど涙流るる (晶子)恋しさのおさえられない大将はまたも小野(おの)の山荘に宮をお訪(たず)ねしようとした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...儀衛中に知音無之ときは夫も出来不申こまり申候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...音無川の清流をはさんで...
山本笑月 「明治世相百話」
...日ごろの音無しい三島を知っているものらは転げるように笑い出すと...
横光利一 「旅愁」
...この前後から今まで音無しかった三島の顔は...
横光利一 「旅愁」
...音無瀬川(おとなせがわ)の縁(へり)へ出た時...
吉川英治 「剣難女難」
...大月玄蕃の毒刃に追われて千浪と抱き合ったまま音無瀬川へ身を投げた――その記憶まではあるが...
吉川英治 「剣難女難」
...汝はすでに音無瀬川に飛び込んで死んだとばかり思っていたが...
吉川英治 「剣難女難」
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