...音無しく食事を始め...
太宰治 「駈込み訴え」
...王子(おうじ)の音無川(おとなしがわ)も三河島(みかわしま)の野を潤(うるお)したその末は山谷堀(さんやぼり)となって同じく船を泛(うか)べる...
永井荷風 「日和下駄」
...王子(わうじ)の音無川(おとなしかは)も三河島(みかはしま)の野を潤(うるほ)した其の末は山谷堀(さんやぼり)となつて同じく船を泛(うか)べる...
永井荷風 「水 附渡船」
...机竜之助は西に向って構えたのが例の「音無し」です...
中里介山 「大菩薩峠」
...「待て――机竜之助が得意の手に音無しの構えというのがあると――あの吉田なにがしの手は――あれは音無しの構えではあるまいかしら...
中里介山 「大菩薩峠」
...音無し、むむ、そう思えばいよいよ思い当る...
中里介山 「大菩薩峠」
...竜之助の音無しの構えを破り得るものがなかったのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを久しぶりで音無しの構え...
中里介山 「大菩薩峠」
...音無しの構えなるものが起って...
中里介山 「大菩薩峠」
...三十八こうして、音無の怪物は、死肉には爪牙(そうが)を触るることなく、そのままずっと進んで行きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ゆくりなくも嚇(おどか)された音無しの怪物に...
中里介山 「大菩薩峠」
...死ぬよりも辛いぞ!」と音無は震へながら煩悶した...
牧野信一 「鬼の門」
...バスの終点を見出す音無宿へ達するには健全な歩行者の歩みをもつてさへ黄昏時になるのが通例だつた...
牧野信一 「剥製」
...音無(おとなし)の酒倉を襲つてやれ...
牧野信一 「武者窓日記」
...帰りこし都の家に音無しの滝はおちねど涙流るる (晶子)恋しさのおさえられない大将はまたも小野(おの)の山荘に宮をお訪(たず)ねしようとした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...音無川に沿うて根岸から王子への一筋道...
山本笑月 「明治世相百話」
...音無瀬河原から、忽然(こつぜん)と姿を消し、福知山の城下へ入ろうとして果さず、由良の伝吉を激流の瀬へ投げこんだまま、いずこともなく立ち去った鐘巻自斎を、平凡な田舎武士(ざむらい)と見て、枕さがしの毒手を伸ばしたのは、まったく、奸夫奸婦の運のつき、眠り獅子の髯(ひげ)へ、浅慮(あさはか)にも手をやったに等(ひと)しかったのである...
吉川英治 「剣難女難」
...音無瀬川の千仭の闇へ...
吉川英治 「剣難女難」
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