...その輪の中にうようよと音もなく蠢(うごめ)く...
池谷信三郎 「橋」
...音もなくすーっと細目にあいた...
海野十三 「太平洋魔城」
...天井に嵌(は)めこまれてあった電灯のセードが音もなく...
海野十三 「地中魔」
...ゴマ!」中から聞こえる声とともに、壁の穴は、また音もなく、もとのようにとじてしまったのであった...
海野十三 「超人間X号」
...怪物は塀から塀へと伝わって、足音もなく、少しずつ、少しずつ、ふたりに近づいていき、一メートルばかりの近さになったかと思うと、いきなり、かわいらしい女の子にとびかかって、小わきにかかえてしまいました...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...音もなく飛びまはる夕闇の...
薄田泣菫 「独楽園」
...音もなく、千代乃が立ち現われて、室の入口に片膝をついていた...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...側の襖がすーっと音もなく開いて...
豊島与志雄 「白血球」
...後ろから音もなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...不意に後ろから音もなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...深谷が便所のほうへ足音もなく駆けてゆく後ろ姿が見えた...
葉山嘉樹 「死屍を食う男」
...音もなく崩れ墜ちてゆくようだった...
原民喜 「死のなかの風景」
...音もなく――完全な無音の中で...
A. ビアス A.Bierce The Creative CAT 訳 「チカモーガ」
...坐には物の音もなく酒の香したひて寄りくる蚊のうなり聲のみ高く聞えぬ...
樋口一葉 「にごりえ」
...音もなく両膝をついたのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...誰ぞおらぬかッ」出陣(しゅつじん)音もなく杉戸が開いた...
吉川英治 「新書太閤記」
...そこに剣もなく人もなく音もなく...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...音もなく席を起って...
吉川英治 「宮本武蔵」
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