...不思議にも格子戸がひとりでに音もなく開(ひら)いて...
有島武郎 「僕の帽子のお話」
...横から見たところはなんだかひょろひょろしたあぶなっかしい橋であったが、こうして渡ってみるとすこしもゆれず、きしむ音もなく、しっかりしたビルの廊下を歩いているのとかわりがない...
海野十三 「怪星ガン」
...音もなく細目に開いて...
海野十三 「蠅男」
...耳をすましても、何の物音もなく、目には幽(かす)かな光さえも見えぬ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...芥川はきまつて勝手口から音もなく(麻裏草履で砂地であるためもあるが...
小穴隆一 「二つの繪」
...内側の格子の中に褐色をした人々が音もなく座り込み...
ジョージ・オーウェル George Orwell The Creative CAT 訳 「絞首刑」
...水が、音もなく這い、伸びている様を、いま、この目で、見てしまったから、もう、山師は、いやだ...
太宰治 「めくら草紙」
...音もなくくるまの母衣をめくって...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...御廉(みす)のかげから外のけはいを音もなくうかゞいながら...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...足音もなく忍び寄ってくる...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...ドアは全く音もなく...
葉山嘉樹 「死屍を食う男」
...わが陣地が音もなく...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...生温かい風が音もなく吹き寄せて...
松濤明 「春の遠山入り」
...黒土の上に透き間もない苔は木立の間に形ばかり付いていた小道をも埋(うず)めて踏めばじとじとと音もなく水の湧(わ)き出る小暗い庭は...
水上滝太郎 「山の手の子」
...音もなく降っていた...
山本周五郎 「薊」
...殆んど音もなく崩れ落ちた...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...音もなく歩いてくる女性は...
吉川英治 「親鸞」
...音もなく空を劈(つんざ)く...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
便利!手書き漢字入力検索