...それにしても障子(しょうじ)のあく音さえしなかったのは不思議な事だ...
有島武郎 「或る女」
...助け船――なんのって弱い音さ出すのもあって...
泉鏡花 「海異記」
...深夜の怪音さて、話は春木少年と牛丸少年の上に移る...
海野十三 「少年探偵長」
...滝が流れだしている音さ...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...観音さまのように...
高神覚昇 「般若心経講義」
...仏の化身(けしん)である観音さまも...
高神覚昇 「般若心経講義」
...露西亜語で正確にはどう発音されるのか知らないが...
太宰治 「惜別」
...観音さんと言ふのか...
太宰治 「津軽」
...やつとこやしをあたへられた・おばあさんは草とるだけの地べたをはうて・蕗の葉のひろがるやかたすみの春は花が咲いたといふ腹が空つてゐる・機械がうなる雲のない空(アスフアルトプラント)亀がどんぶりと春の水・月へならんで尿するあたたか・花見のうたもきこえなくなり蛙のうた・春の夜を夜もすがら音させて虫よい月だつた(陰暦三月十七日)...
種田山頭火 「其中日記」
...自(おの)ずと自分の足音さえが鼓膜に響くように思われたときであった...
徳永直 「戦争雑記」
...その階(きざはし)の前で自分は浅草の観音さまのように鳩の群に餌を撒(ま)いてやったが何故(なぜ)このお堂の近所には仲見世(なかみせ)のような...
永井荷風 「霊廟」
...とかく浮世は辛いといふことは屡々浮世は辛くなければならぬといふやうにして発音されるのである...
中原中也 「よもやまの話」
...よろ/\として思はず格子にがたりと音さすれば...
樋口一葉 「十三夜」
...さっと木の葉にふりかかる音さえ微かにし出していた...
堀辰雄 「姨捨」
...一音さえも聞き分けられなかった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...本堂の内部からガタガタ音させてそれとなく注意したが...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...妹の潮音さんの旦那であろ」「どちらにしても...
吉川英治 「源頼朝」
...夕日さす枯野が原のひとつ路わが急ぐ路に散れる栗の実音さやぐ落葉が下に散りてをるこの栗の実の色のよろしさ柴栗の柴の枯葉のなかばだに如かぬちひさき栗の味よさおのづから干て搗栗(かちぐり)となりてをる野の落栗の味のよろしさこの枯野猪(しし)も出でぬか猿もゐぬか栗美くしう落ちたまりたりかりそめにひとつ拾ひつ二つ三つ拾ひやめられぬ栗にしありけり芒の中の嶮しい坂路を登りつくすと一つの峠に出た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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