...すでに十分に鞣(なめ)され...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...紫の絹紐で口を括った三個の鞣(なめ)し皮袋であった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...投網(とあみ)の錘(おもり)をたたきつぶした鉛球を糸くずでたんねんに巻き固めたものを心(しん)とし鞣皮(なめしがわ)――それがなければネルやモンパ――のひょうたん形の片を二枚縫い合わせて手製のボールを造ることが流行した...
寺田寅彦 「野球時代」
...その鞣革(なめしがわ)のカラーの留め金は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...鞣皮(なめしがわ)の襷...
中里介山 「大菩薩峠」
...革鞣し剤を混ぜている不正で邪悪な現在の遣り方にたいして...
アーサー・ヒル・ハッサル Arthur Hill Hassall, M.D. 水上茂樹訳 「食品とその混ぜ物処理」
...鞣革で張つた椅子で...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...靴――桃色の鞣革(なめしがわ)の――はキャベツの形に襞(ひだ)を取った黄色のリボンの房で結んである...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...そしてあの鞣皮で張った肱掛椅子に腰をかけている爺さんの眼に注がれている物はこれなのだ...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...骸骨に手入れの届いた鞣皮を張りつけたような Pocket dog 或は Sleeve dog だ...
宮本百合子 「犬のはじまり」
...フランス鞣に真珠貝のボタンのついた四角い小銭入(こせんい)れが在った覚えがある...
宮本百合子 「斯ういう気持」
...つよい鞣革(なめしがわ)で玉虫色の象嵌(ぞうがん)があります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...我邦(わがくに)の茄子は鞣酸(じゅうさん)や鉄分を含(ふくん)でいると同時に一種の強い興奮性がある...
村井弦斎 「食道楽」
...リンツマンの檀那と云うのは鞣皮(なめしがわ)製造所の会計主任で...
モルナール・フェレンツ Molnar Ferenc 森鴎外訳 「破落戸の昇天」
...(寝台の傍の鞣革(なめしがわ)の椅子に身を倚(よ)す...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...鞣革のやうに柔く...
柳宗悦 「和紙十年」
...鞣(なめ)すようなバーの間接照明の光を受け...
山川方夫 「ジャンの新盆」
...白鞣(なめ)しの革の緒をすげた麻裏をはいていた...
山本周五郎 「さぶ」
便利!手書き漢字入力検索