...一人土間で草鞋(わらじ)を造っていましてね...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...真新しい草鞋(わらじ)...
太宰治 「善蔵を思う」
...皆さんここで草鞋を脱いで下さるから...
林不忘 「安重根」
...草鞋(わらじ)のような物がその端の方から見えた...
徳田秋声 「足迹」
...草鞋を結ぶことをやめない弁信法師は...
中里介山 「大菩薩峠」
...余は笠と※を投げ出して草鞋と荷物とを手に提げたまゝ波の引いた途段に磯へ飛びおりた...
長塚節 「佐渡が島」
...余は草鞋を解きながらそれはどうするのかと聞くと明日は盆だから佛へ供へる團子にするので米をうるかして置いて搗くのだと其の笄のやうな形の杵を交る/\に打ちおろして居た...
長塚節 「旅の日記」
...夫は制服の脚に黒い脚絆と草鞋(わらじ)とをつけ妻君はたまさかにとり出して着た晴れ着の尻をはしょって...
中村地平 「霧の蕃社」
...この草鞋(わらじ)をはいた子供(こども)は...
新美南吉 「花のき村と盗人たち」
...草鞋ばきで抜刀し...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...脚絆に草鞋(わらじ)がけという実誼(じつぎ)な装(なり)で一年の半分は山旅ばかりしているので...
久生十蘭 「生霊」
...その他(ほか)には馬の草鞋(わらんじ)はおろか...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...草鞋の緒きれてよりこむ薄かな末枯や覚束なくも女郎花熱海に着きたる頃はいたく疲れて飢に逼(せま)りけれども層楼高閣の俗境はわが腹を肥やすべきの処にあらざればここをも走り過ぎて江(え)の浦(うら)へと志し行く...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...足袋と菓子草鞋が破れて小石が入って困るので...
柳田国男 「雪国の春」
...内田さんは草鞋というものをはかない主義であったそうな...
柳田国男 「雪国の春」
...見るとそれは蠅取り茸、紅茸、草鞋茸、馬糞茸、狐の火ともし、狐の茶袋なぞいう毒茸の連中でした...
夢野久作 「きのこ会議」
...足には新しい武者草鞋(むしゃわらんじ)の緒(お)をしめ...
吉川英治 「私本太平記」
...脱いだ草鞋(わらじ)をはきかけた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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